第62話 いよいよ、本丸突入か?

 おそるおそる、通りとは反対側にある裏口に侵入する。

(こういうの…不法侵入というんじゃあないのかなぁ)

ジュンペイは、ドキドキしながら、そう思う。

まるでドラマの世界のよう…

敵のアジトに入ったら、大抵見つかるんだよなぁ~

などど思いながらも、キョロキョロとする。


 すると熱感センサー式になっているらしく、ジュンペイたちが

入った時点で、灯りがパッとつき、いきなりパトランプが点滅を

始めた。

「まずいぞ」

リーダーのミナトが、周りを見回すと

「時間がない!

 こうなったら、二手に分かれよう。

 アイツらが来る前に…

 さっさと裕太君を見つけて、ずらかるぞ!」

点滅をする赤い光と、周りを確認すると、リーダーらしくテキパキと

指示する。

「じゃあ、裕太くんは…ミアと一緒に、行ってくれ」

(えっ、大丈夫なの?)

やはり不安だ。

「大丈夫よ、マリさんがいるから!」

なぜそこまで、彼女のことを信用しているのか、

ジュンペイにはまだよくわからないのだが…

(とにかく、裕太を見付けなくては!)

おとなしく、黙ってついて行くことにした。


 警告音が響く中…ジュンペイは、マリさんと一緒に走る。

ハヤトとタケシは、どこかへ行ってしまった。

ミアも、先ほど目に付いた部屋に、飛び込んで行った。

(どうする?)

このまま、捕まるわけにはいかない。

でも…また裕太を、見捨てるわけにもいかない。

ジュンペイはマリさんと一緒に、赤い光が点滅する通路を、走りだした…

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