第17話 あったらいいな、ドラえもん!

「え~っ、武器もいるのぉ?」

 実は全くのノープランだった裕太は、トオなんて…

ディズニーランドのアトラクションみたいに、参加するだけでどうにかなる、

と思っていた。

互いに顔を突き合わせている、ジュンペイとサキアの間に割って入ると…

案の定「おまえは、本気か?」と憐れむ顔をして、ジュンペイは

裕太を見た。

「そりゃ、そうだろ?

 いきなり手ぶらで入って行ったって、勝てこないって!

 やられるのが、オチだって!」

バカだなぁ、そんなこともわかんないの?

ジュンペイは大げさに、目をひんむいて言った。

その様子を見ているサキアも、クスクスと笑う。

「あなたたち、それはいいけど…

 お金を持っていないんでしょ?」

今さらのように、2人を見る。

「えっ?」

お金?

武器にも、お金?

口をポカンと開けて、裕太はサキアを見た。

「あちゃ~やっぱりそうかぁ」

サキアは頭をかかえる。

側に控えていた、ミスターことボディーガードが、心配そうに

サキアを見る。

「サキア様、どうされますか?」


 本当のところ、ここまで面倒をみる義務など、彼女にはないのだ。

いい加減、自分の主人をお手軽に使うのは、やめて欲しいものだ…

と、子供たちを見やった。

「あ~あ、とんでもない子供を、拾ったもんだねぇ」

まいったなぁ、とサキアはため息をつく。

「しかたがないなあ」

だが、ここで放り出すのも、かわいそうだ。

「まぁ、乗りかかった舟だし…

 ま、今の所、暇だし、退屈しのぎに遊ぶのもいいかぁ」

ひとり言を言うと、目をキラリと光らせる。

「えっ、ボクたち、船になんて、乗ってないよ!」

ジュンペイが、素っ頓狂な声を上げた。

「バカだなぁ、それは物の例えだよぉ」

裕太がジュンペイに小声でささやく。

「バカだとぉ?おまえに言われたくないなぁ」

急にムッとした顔になり、ソッポを向いた。




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