第14話 突然の襲撃と愉快なたこ焼き屋さん!
さすがはプロのボディーガードだ!
鋭い目つきで、子供たちの背後を警戒する。
「みんな…大丈夫か?」
ようやく顔を上げると、サキアに手を差し出すと、看板の後ろに
誘導した。
「もう…大丈夫?」
しゃがみ込んでいた子供たちも…おっかなびっくり、サキアの後に続く。
ここに来て…こんな目にあったのは、初めてなので…
さすがの裕太も動揺していた。
心のどこかで…これは夢だ、現実じゃあない…と思っていたからだ。
目が開けられないくらいの閃光が、まだ網膜に焼き付いている。
ここは、トオのある町なのだ。
何があるのかは、予測が出来ないのだ…
「あぁ、たぶん…怪しい男は、もういないと思うよ」
ボディーガードがそう言うと、サキアに小声で何かをささやく。
「わかった」
サキアはうなづくと
「ちょっと失礼」と言って、
少し離れた電信柱の方へと移動して行った。
「なんか、すごかったね!
名探偵コナンみたい!」
そう言うと、ピョンとジュンペイが飛び跳ねて、再びタタタ…と
屋台の周辺を走り回る。
(何をしているんだ?)
裕太は呆れて、その姿を見ている。
「なんだ?これは!」
見回すと…白いガラスのようなものが、周りに砕け散っているのが
見えた。
「あっ、ボクたちのたこ焼き!」
ふいに思い出すと…
「ねぇ、そっちは大丈夫ぅ?」
お姉さんたちに、声をかけた。
「大丈夫…です」
背の高いリーダー格の女の人が、おそるおそる台の下から
這い出してくる。
そうして裕太たちの方を見る。
「大丈夫ですか?
本当に…危ない目にあわせて、申し訳ありません」
ペコリと裕太たちに向かって、頭を下げた。
ボディーガードと話が終ったサキアも、屋台の方を見ると
「あなたたちも、被害はない?」
素早く目を走らせる。
屋台の屋根が、わずかに吹き飛び、看板にしていたメニューが
見事に射抜かれていた。
「災難だったわね。
弁償させてもらうわ」
なぜかサキアは、彼女たちに申し出た。
その後は…サキアは手慣れた様子で、どこかへ電話をすると…
まもなくして、お掃除ロボットが現れた。
ペッパーくんのようなロボットが、ものの5分で、ガラスの破片や
倒れた看板などを片付けて…
すっかり何事もない状態に戻った。
「うわぁ~すごいなぁ!ボクも、欲しいなぁ」
目をキラキラさせて、ジュンペイがロボットの後を追いかける。
「ダメだよ!これは…おもちゃじゃないんだから!」
あわてて裕太が、ジュンペイの手を引っ張る。
「はぁーい、お待たせぇ~サービスしといたわよぉ」
メイド服のお姉さんが、白い発砲スチロールの容器に詰めると、
「熱いから、気をつけてね」
裕太に手渡す。
「ありがとう」
1つをジュンペイに手渡し、それじゃあ~と、食べる場所を目で探す。
すると、すぐさま
「2つで、1000ね!」
いきなり声がかかり、ほぃっとパンダが手を差し出した。
「えっ?」
しまった!
お金を取るんだ?
裕太はそのままの姿勢で、ジュンペイと目を見合わせた。
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