第8話 ボクたち少年探検隊!
「ここ…みんな、トオを目指して来るオジサンたちが、ウロウロ
しているんだ。
武器屋さんとかね、たくさんのお店があるんだよ!」
さすがは男の子だ。
嬉しそうに、目をキラキラ輝かせている。
思わずサキアは、頬を緩ませる。
(たわいもないもんだなぁ)
なぜだか彼女は、あの子たちを可愛いと思う。
母性本能など、自分にはないと思っていたのだが、どうやらそうでも
ないらしい?
自分も甘くなったもんだなぁ~と苦笑いを浮かべる。
いつまで子守りをしていればいいんだ?
そろそろ仕事に戻らねば…
そう思っているのだが、意外と楽しいのも事実だ。
「オバサン、ボクたちも…トオに上ってもいいの?」
無邪気な顔をして、ジュンペイと裕太はサキアを見上げた。
何か期待するように…ワクワクとした視線を向ける。
「はっ?」
私に期待するのは、やめてくれ!
いきなり何を言い出すんだ?
彼女は、男の子たちを見つめる。
どこまでお調子者なんだ?
そんなに甘くはないんだぞ?
わかっているのか?
そう思うけれども…この子たちが、どこまで本気なのか、
どこまで行けるのか、見てみたい…という好奇心もある。
(怖いものみたさか?)
「そりゃあ…年齢制限は設定してないけど…あなたたちに、
行けるのかしら?」
(怖いと言って、泣きついても、知らないわよ)
思わずビジネスモードになる。
チラリ…とボディーガードの方に、目をやる。
(まさか、この子に…何か教えたのか?)
とがめる目付きで、彼を見ると、彼は無言で肩をすくめた。
「どっちにしろ、武器がないと、無理かもしれないわよ」
それでも、行くつもり?
挑むような目付きで、サキアはジュンペイを見つめた。
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