「完全にブチ切れた」

俺はメルセデスを運転しながら


『兄貴が結婚かー、急すぎんだろ』


歩は

『でもあの2人を見てると

繋がってたような感じがするなー』


俺は

『運命ってやつ?』


歩は

『運命より強い絆みたいなもの』


俺は

『すげー乙女だな、

そうゆうの嫌いじゃねーけど』


歩が

『香織さんのドレス姿、綺麗だろうね』


俺が

『綺麗だと思うけど、歩も綺麗じゃん、

ドレス試着とかないの?見てーな』


……

歩は

『凄いこと普通に言うよね、

楽しみにするとかじゃないの?』


俺は

『ドレス姿?何回見ても

綺麗だからいいじゃん』


歩が

『あの、私はす』


と言いかけた所でファミレスに

着いたので、車から降りた

一階が駐車場で階段を登って

店内のボックス席に座った


料理を頼み、待っている間


俺が

『ごめん、話の途中だった』


と歩といると穏やかな

気分になっていた


歩と話していると


"コツン""コツン"


と何かが飛んで来たが

気にせず話そうとしていると


(スゲー可愛い子いるじゃん)

(この辺にいたか?)

(金髪と一緒じゃん)

(男ビビって何も動かねーよ)


と喋っている

聞こえないフリを精一杯我慢して

いたが限界だ、ボコってやる

と立ちあがろうとした瞬間


また"コツン"と飛んで来て


歩の顔に当たった

氷を砕いてストローで飛ばしていた


俺はブチ切れた

持っていたグラスは力が入り割れた

立ち上がって向かって行くと


見た顔と知らないヤツ

帝南の一つ下、1人

帝南の1つ上、2人

薪ヶ丘の1つ上、3人だった

計6人組だった


俺は何も言わず

手前にいた薪ヶ丘の髪を掴み上げ


後輩が

『一条さん、知らなくてせみませんでした』


俺は無言で

片っ端からボコって

ソイツらの飲んでいる

ガラスのグラスで次々と“バリン“と

音と共に全員の頭をかち割った


薪ヶ丘が2人向かってきたが


本気でぶん殴って

1人は泡を吹き

もう1人の髪を掴みながら

顔面に“ガン""ガン""グシャ"

一生止まらないと思うほど殴った

もうどこをどれだけ殴ったかも

分からなかった


そのまま倒れたが

全く気がすまなかった


『おい、立てコラ、俺が帝南の一条だ

俺の女になめた事すんな、

テメー等下の駐車場に来い』


と心臓がバクバクいうほど

切れているので

割れたガラスで刺してやろうとしたら


歩が

『もういいよ、止めよう、

もうこの人達限界だよ』


と止めたが


俺は

『うるせー黙ってろ』


と言って歩の顔を見ると

もう悲しくて

泣き出しそうだった


俺は鬼の形相で

『お前等、しっかりケジメつけんからな

絶対に逃がさねーぞ』


と言い、

『気分が悪くなった、早く消えろ』


と言いながら、顔面を蹴り上げた


『すみませんでした』

と土下座されても


何とも思わなかった


歩が『ありがとう』


と言い

俺は

『いや、マジでどうにかなりそうだった』


歩は

『あの、私は大事な彼女って…守る為?』


俺は

『俺は歩が好きだから、俺の女だ

だから守るのは当たり前だろ、

いつかドレス姿、見せてくれよ』


と言うと


歩は

涙が止まらなくなった

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