「好きな人」

聖川と電話を切った後

暫く携帯を見つめた

電話帳の歩からの

着信履歴を見ていた


いつも通り裏から

入ってくると思ったが

聖川から着信があった


俺は(何だよ)

聖川は(お前の兄貴いる?)

俺は(いねーから大丈夫だって)

聖川が(おー、あぶねー分かったー)


カラカラカラカラと

裏のガラスドアが開いた


聖川が

『よー、いやいや、昨日のお前の兄貴達

見たらビビるって』


俺は

『何もしてねーなら大丈夫だよ、

まぁこの部屋、俺と兄貴の部屋だけど』


聖川は

『テメービビらせんなよ』


俺は

『いつも冷静に大人ぶってんからな、

たまにはいいだろ』


『シャレになってねーよ』


と2人で笑った


聖川が『で、付き合ったの?』


俺は『つーか、好きとかの話になってねー』


聖川は『お前察してあげろよー』


俺が『いや、ずっと見てましたとかはな』


聖川は

『お前にはちゃんと叱ってくれて、

純粋でしっかりした年上だって!』


俺は

『嫌とかじゃなくて、そうゆう話に

なってねー、てかお前がさ

彼女と一緒の時に絡まれたらどうする?』


聖川が

『あっ3人に絡まれたろ?秒殺されたって

上田さんのチームの族が倉庫にきたな、

流さんの弟って聞いて腰抜かしてたぞ』


俺は

『昨日ソッコーだよ3人によ、1人やって

追っ払ったんだけど、これ正解?』


聖川は

『おー、熱くならず瞬殺して他は

ビビらせて何とかしたの?』


俺は

『まぁそんなとこ、歩は守りてーなって』


聖川は『俺でもそうするかな』


俺は

『だよなー!!土下座しても守れとか

言うけどよ、無防備にボコられて

動けなくなった後に何かあったらよー』


聖川が

『そんな保障ねーからなー、

死んでも守るけど、お前優しくなったな』


俺は

『そんな事ねーよ、相手単車3台だった

から、跳ね飛ばした方が確実だなぁって』


聖川は

『それ最終手段だろ、確実は確実だけど、

その辺はその時によるなー』


俺は『ま、そうだな考えちまってなー』


聖川は

『お前絶対に歩ちゃんと付き合え!

お前にちゃんとここまで悩ませる人いねーよ』


俺は

『だから好きとか、付き合うとか

言われてねーもん』


聖川が

『お前言われるの待ってるんですか?』


俺は『ああ、そうだけど?』


聖川は『テメー何様だよ、ふざっけんな』

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