「翌日」

台風のような次の日

俺は疲れ切って

昼前まで寝た


起きた瞬間

体のあちこちが

“バキバキ"と音が聞こえるように

全身が痛かった

昨日の出来事を思い出しても

1日の出来事だと思えなかった


兄貴を探したが

家にはいなかった

力也さんから着信が

あったのでかけ直した


(おはようございます、

すみません、何かありましたか?)


力也さんが

(おう陸、流いるかなってよ)


(いや、いなくて、もしかしたら

前のオヤジのとこかもしれません)


力也さんは

(あー言ってたな、忍の事なんだけど、

あの日弁護士の先生と流のツテもあって、

とりあえず保釈だったんだけど)


(はい、また捕まっちゃいましたか?)


力也さんは嬉しそうに

(昨日潰した鬼貴族が指名手配くらってる

悪だったらしくてよ、捕まえて、銃も

あったし、要するにお手柄だったんだよ)


(じゃあもしかして)


力也さんが

(ああ、まあ無罪だと面子があるからな、

違法改造車で切符切られて終了だ、

免許持ってて良かったな、はっはっは』


(あー良かった、とりあえず解決)


力也さんは

(流はすげーわ、いつもこれ全部

こうなるって分かってたみてーになる』


(今の自分じゃ襟首掴むのが限界です、

喧嘩でも、器の広さも、全部敵いません、

兄貴は14の時も凄かったですか?)


力也さんは

(そりゃすげーよ、強いのはもちろん、

負けても恨む気にならねーんだ、喧嘩屋の

弁慶でも仲間にしてくれって言ったからな』


(まあでも、指名手配くらってる

暴走族に中坊4人で突っ込んだのも

中々の気合いだぜ』


(勝てばですよ、助けられて情けねー)


力也さんが

(普通は兄貴やら仲間に頼るんだよ、

その根性なら上目指せるぜ、でも

お前等、特にお前は狙われる立場だぞ)


(そっちの件は上等ですよ。

本気に色々とありがとうございます

感謝してもしきれません)


力也さんは

(いや、お前達がいなきゃ逃げられてた

かもしれねー、ありがとな)


(ありがとうございます、

兄貴に伝えておきます)


力也さんは

(困ったら何でも言えよ)


(はい!!失礼します)


フーッ良かった


続いて聖川から着信が鳴った


俺が

(おう、疲れて今起きたわ)


聖川は

(さっそく歩ちゃんと電話ですか?)


俺は

(ちげーよバカ、力也さんだよ、

忍さん大丈夫だったってよ)


聖川は

(ああ、あの超ゴツい流星会の、

忍さん良かったな!カッコよかったな、

最後まで。で、付き合ったの?)


俺は

(だから2回しか会ってないの)


聖川は

(あんな綺麗で優しい子そうそういねーぞ?

まあいいや、今から行くわ』


俺は

『優次さん達の病院行くんだよ、

徹さんの家に線香上げに行きてーし』


聖川が

『付き合うぜ、じゃあなー』


『ああ、分かったよ』


と電話を切った

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