「守るべき人」

車で走り出すとすぐに


鬼貴族探しに血走った

暴走族やバイカーに遭遇した


よく頭を下げてでも守れと言うが、

本当だろうか、謝っても

聞かないヤツは山ほどいる

立場が上になれば調子に乗るヤツも


頭を下げても何をしてでもは

相手によるんじゃないか


単車3台に絡まれた


俺は歩に

『万が一揉めたら、この体で

数人相手だと

守りきれねーかもしれねー、

最悪車で轢くから』


と言い


窓をドンドン叩かれ

ヤンキーに

『おい、お前鬼貴族か?』


俺は

『ちげーよ、走ってんだけだ』


『あっそー、偉そうに走ってんなよガキ』


俺は

『今何つったテメー、やっちまうぞ』


俺はドアを開けて『鍵閉めとけ』

と歩に言い


『1人でカッコつけんなよテメー』


俺は

『3人で勝てると思って』

と言う途中で


あっ…マズイ歩、もう引くに引けねーなー

情けねー俺はバカだ…死んでも逃がすしかねー

3人相手、左腕なしか…


俺は近付いて掌底をとにかく速く

軽くても当てて意識を逸らして


後ろに回り込み、首に右腕を巻き付け

首を絞めた


俺は

『おい、このままこの首折るぞ、

鬼貴族ならジャニーKの近くの倉庫だ、

それとも、死ぬまでこのままやるか?

ああ?』


『いや、関係ねーならもういい、

何者だてめー』


俺は

『倉庫に行って聞いて来い、

今は俺には関わるな』


と手を離し


車のドアを開けて走り出した


歩が

『やっぱり強いんだね』

と言ったが


俺は

『ごめん、今の俺が悪い、ダセーな、

もし何かあったら償いきれねー、悪かった』


歩は

優しく『ありがとう』と言った


この"ありがとう"の一言が、

心から優しく

正直

張り詰めてた物が解けて涙が流れた

隠していたが気付いていたと思う


涙を拭き


歩は学校は?チーム入ってんのか?


歩は

『うん、今高1で聖凛行ってる、

あの時は特攻服、先輩が貸してくれて、

最後の方だけ走ったの』


俺は

『そっか、危ねーからあんま集会とか、

族車はやめた方がいいと思うよ』


歩は

『うん、分かった。

単車は免許持ってるから、

どんなのがいいと思う?』


俺は

『カスタムしたいなら、アメリカンは

まぁ族車よりは安全かなぁ、

少し位なら現行のZRXとかインパルスとか

なら族車扱いされないかな』



歩は

『陸君の危ないって?』


俺は

『目立つとそれだけおかしな奴等の

目につくじゃん

危険は、目につくと、つかないじゃ、

大きな差があると思うから』


歩が

『うん、分かった、ありがとう』


俺は

『でも、俺人の事言えないよ?

まだまだ喧嘩も単車も無茶もするし』


歩は

『帝南の龍神…なんでしょ?

引退するまでずっと』


俺は

『うん』


歩は

『私は私の事を、頭の中に忘れないでくれればそれでいいよ、香織さんもそうだと思う』


俺は

『兄貴と香織ちゃん知ってんの⁉︎』


歩は少し笑って


『2人は有名な仲良いカップルだから』


俺は

『ああ、そっか、優しかったよな、

歩みてーに綺麗な髪してて、香織ちゃんに

連絡しなよって言ってみるよ』


歩は『えっ?』

と頬を赤く染めた


鈍感な俺は

『何?サラサラで綺麗じゃん』


歩は『えっあっうん、香織さん綺麗だよね』


俺は『また仲直りしねーかなー』


歩は

『今どうとかは分からないけど』


俺は

『いいよ、分かってる』と言った


歩の族車の場所に着くと


俺は

『俺の単車置き場まで行こう、

大分楽になってきた』


歩は

『いや、危ないから、車にしよ、

単車はまた来れる口実にしたいから』


と言った


俺が

『色々あったから、少し忙しくなるけど』


歩は

『うん、分かってるから』


俺は

『つーか、家どこ?』


歩は

『あっ、能見坂』


能見坂って聞いた事あるな、

ああ潰した中学のとこだ


俺は

『歩くと30分位か』


歩は

『遠いかな?』と聞いたが


俺は笑って

『この距離で遠いとかヤバいだろ』


と言った


歩が

『同じ中学なら毎日会えるしさ』


俺は

『会おうと思うかどうかの問題だろ』


と言いアクセルを踏んだ

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