「最強の腕」

(一馬と真人はどうなってる?)

敵の7.8人は床にうずくまっているが

2人とも鉄パイプとバットで

ぶっ叩かれながら

頭と腹だけは守って

何とかやり合っているが

動きがおかしい


俺と同じか、重症だろう


俺も左半分は痛さと痺れで動かねー

コイツ等も俺と同じ気持ちで耐えてる


半分はいったか、でも

(このままじゃ動けなくなる)


俺は気に食わないやり方だが

最後の仕方ない判断だった


『一馬ー、真人ー

こっち来い、高山だけでも』


一馬と真人は腫れ上がった顔で頷いた


俺は

『高山、お前、お前だけは倒す』


高山は

『そんなに忍と徹やられて悔しいか?

忍はやり損ねても捕まったな』

はっはっはと笑った


俺は

『て、テメーなんかよりテメーなんかより

徹さん達のがよっぽど強えーんだよ!!』


動く右腕で後ろのヤツを振りほどき


(徹さん1度だけ力を貸して下さい!!)


高山兄の顔面を思いっ切り殴り、

右腕で髪を掴み飛び膝蹴りを入れた

そのまま回転して肘打ちを肋骨に当てた


その瞬間

後ろから弟にパイプで頭を殴られ

ふらつき視界がボヤけたその時


『よく叫んだじゃねーかガキが

最後まで立っていたお前の勝ちだ』


聞き慣れた強い声だ

ふらついた俺を太い右腕で立たせた



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る