「責任」

俺は思い出を思い出しては

現実に起こったと実感が湧かず

それでも現実と自分を説得する

それを繰り返した


兄貴達が話しているが、

耳に入らず、

聞きたい事を聞いた


『すみません、ちょっといいですか?』

力也さんと上田さんが

首を縦に振った

『何で引退する人がケツモチしたんですか?』


上田さんが口を開いた

『すまない、俺のミスだ』


俺は

『引退集会って意識が

足りなかったって事ですよね?』


上田さんが

『ああ、その通りだ

アイツらの優しさと強さに甘えたんだ』


さすがにこの2人は人の上に立つ人だ

見苦しい言い訳は一切しない

これほどの男は中々いないだろう

ガキだからそれでも納得は出来なかった


俺は

『この責任はどうなるんですか?

忍さんを助ける事に動きますよね?』

上田さんが

『徹の家族の所に頭を下げに行く、

忍は力也さんに弁護士付けてもらうから』


『俺、警察が未成年を事故らせるような

追い方をするって思えないんですよ、

何か原因か何かあるんじゃないですか?』


力也さんが

『単車に細工されたり、

どっかのチームって事か?』


『はい』


兄貴が

『まぁ揉め事はあるだろうな、でも

単車はねーし忍から聞いてみるしかねーな』


上田さんが

『万が一裏切りだったら、この件を

解決したら俺は引退する。それがケジメだ』


一馬に

『お前は?』

と聞いたが首を横に振った


一通り聞き、しっかり動いてくれると

確認したら少し安心をした

それと同時にこっちはこっちで

やれる事あるかもなと思った

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