「現実」
俺はボーっと歩いて
家まで見える距離が
おかしくなりそうな頭と
力の入らない全身が
凄く遠く感じさせた
ベランダから入ると
兄貴が電話していた
横で見た事あるような人が
正座をして座っている
俺を見ると頭を下げたが
俺は無視した
兄貴は電話で
『俺に謝っても仕方ねーだろ、
電話してても仕方ねーから来いよ』
と電話を切った
俺を見ると、首を横に振り
コイツは俺とタメのヤツで
すぐ近くに住んでる下馬
俺が
『あー、上りのエスカレーターを
永遠に降りてる、ラリって
危ないって有名だよ』
兄貴は
『なんでこんなヤツが有名なんだ、
連絡先聞いたからもう用はねーから帰れ』
と言われると
『すみません、すみません』
と言って出て言った
兄貴が
『やっぱり徹だったぞ、
浜連の先代に聞いたけどよ』
俺は深呼吸をして
『そう、何でこれから
1からやり直す時に
こんな事になるんだろう』
兄貴は
『今までの罪を背負ったんだ、
アイツは1人で背追い込む
優しいヤツだったからな』
俺は
『何で徹さんが、忍さんも』
兄貴が
『なぁなぁで終わらせねーからよ
昔は流星会って集まってた仲だ』
『ああ』と言うと
ベランダの影に一馬が見えた
俺は
『入れよ、詳しく話聞こう』
一馬が
『すみません、おじゃまします』
俺は一馬に
『浜連の上の人呼んでくれたから、
それと、徹さんだったよ』
一馬は兄貴に
『すみません、ありがとうございます』
兄貴が一馬に
『久しぶりだな、
徹は一馬にどう映ってた?』
一馬は
『自分は家の仕事して、不登校でした、
でも徹さんから仕事しながら、今しかない
時間を過ごす目標をもらいました』
兄貴は
『そうか、忍と徹は思ってたより
ずっといい男になってたんだな』
と言い
俺と一馬はずっと下を向いて泣いていた
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