突然の別れ
「涙」
翌日泥のように寝た
俺が起きたのは激痛だった
兄貴が『おい!!起きろ』
頬がめっちゃ痛かった
『いってーなー、何だよ』
兄貴がTVを指差して
『この集会おめーらだろ?』
俺はTVのフリップを見た
『暴走行為中の少年死亡』
俺は目を見開いて耳でも聞いた
『横浜市で集団暴走行為中に
この集会を開いた少年T死亡』
集会を開いた少年Tってタケナガトオル…
俺は
『嘘だろ、震える手でPHSを開いて
徹さんに電話をかけるが、繋がらない』
続けて
『忍さんに確認する』と言ったが
兄貴は
『無理だ』と言った
忍さんも繋がらない
兄貴は
『忍と徹の引退集会中に死んだんだ、
忍は今警察だろ、証拠があれば無理だ』
俺は兄貴に
『兄貴なら確認だけでも出来る事は?
徹さんって言われねーと納得しねーよ』
兄貴はふーっとタバコの煙と
ため息を吐き、
『待ってろ』
とだけ言った
『ああ頼むよ』
悔しいがクソガキの俺は
こんなに頼りになる味方はいないと思った
俺は
『電話して来る』
とだけ言い、PHSで龍善を起こした
龍善が
『あー?何だよ朝から』
俺は
『徹さんが死んだかも』
『は?』
『だから徹さんが事故ったかも!!TV見ろ』
『うぜー嘘つくな』
『うるせーこんな嘘つくか、殺すぞ』
無言が続けた
『ああ、でも』
俺は遮り
『本当か!?って事だろ?』
『ああ』
『それは今兄貴に頼んだから、お前は
真人に電話してみて聞け、アイツ地元だろ』
『分かったよ』
『俺は一馬のとこ行く』
龍善は『分かった』
と言い電話を切った
中学生の俺たちがこんな事をしても、
何の意味もないかもしれない
ただ1人では抱えきれなかった
仲間の声が聞きたかった
一馬の家は近いので直接向かった
頭の中は違う可能性を探していた
チャイムを鳴らし
お母さんが出た
『おはようございます、
すみません一馬に急用で』
と言うと
お母さんが
『ちょっと待ってね』
と言い俺はボーっと待っていた
一馬が階段を降りてきた
『何だよさすがに疲れたんだぞ』
俺は小さい声で
『徹さんが多分事故った、今TVで』
一馬は仕事で朝が早い時がある
すぐに目が覚めた
一馬が『本当か?』
俺は
『徹さんの単車と昨日の
暴走行為を開いた少年Tって、
徹さんも忍さんも電話繋がらねー』
一馬が
『昨日最後に見たのいつだっけ?』
俺は
『始めだけ』
一馬は髪をくしゃくしゃと手で握り
一馬は
『何か調べる方法とかあるの?』
俺は
『ないから兄貴に頼んだ』
一馬が
『龍善達には?』
『連絡した』
一馬は『一回着替えるわ』と言い
俺は『家にいるから来いよ』
と言い、
兄貴を信じて家に戻る事にした
ふらふらと家に戻る道で
忍さんと徹さんの掛け合いや
優しくしてくれた事
叱ってくれた事
気を付けろよーと言う後ろ姿
メット被れよと言ってくれた言葉
大事な時に力を使えよとゆう言葉
を思い出してグレてから
初めて涙を流した
バカにしたような太陽が
涙を蒸発させそうだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます