「兄貴の出院」

それは急な事だった

前もって親に言われる

事もなく、普通に

玄関から入ってきた


兄貴は

『おー陸じゃん元気なのか?』

俺も普通だった

『んー普通だよー』

兄貴が

『離婚してから親父に会ってんの?』

俺は

『会ってるよ?』

兄貴が

『俺は親父に

着いていきたかったのによ

勝手に母親って決めてよ

ムカついてまた暴れて伸びたしよ』

俺は『1年半だっけ?』

兄貴は

『普通半年だせ?

伸びたって言ってもなげーよ』

俺は

『最初はヤバいのいた?』


兄貴は

『速攻ボコろうとしたらよ、

目の前の部屋に全国でも有名なダチが

いてよ、ヤンキー雑誌に毎月

単車と載ってるヤツ、そいつダチだし

喧嘩売ってくるヤツもいなくなった』


全国的に有名なやつ…

どうやって仲間になったんだ



俺は

『そうなんだ、ねえ忍さんと徹さん

覚えてる?』


兄貴は

『ああ、元気か?』

『うん、よくしてもらってる、

『今度引退集会するって』

『ふーん』

『顔出してあげたら?』

『バカ今更だ、関わらねーよ』

『忍さん達いないし、浜連総長は

柴田中の上田武司さんだって』

『カミタケか、頑張ったんだな』

『俺最後くらい集会行きたいんだけど』


『ふーっ』とため息をつき


『中学生巻き込むのか、

ガキだな相変わらずよ』

『最後だからだよ、それに

会わない間に成長してるよ皆んな』

『他のチームと乱闘になったら、

拐われたら、絶対に守れんのか?

想像力が足りねーんだよ』


俺の身は自分でと言いたかったが

俺以上に修羅場を潜ってきた

誰もが認め、知っている

実績のある兄貴には何も言えなかった

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