雷神の座

「飛び入り参加」

真人が

『おせーぞ森ー!!』


と今にも

飛びかかりそうな

勢いで言った


俺たち全員の視線も

刺さるような視線だ


森が

『ああ、ちょっと

首とか痛くてさ』


俺は

『言い訳になってねーんだよ

またやってやろうか?あー?』


森は下を向き喋らない


勇が

『襟首をつかみ、

また俺たちに恥かかせたな』

"バキ""ドカッ"

森を殴り蹴り飛ばした


森は殴られた場所を抑え

変わらず下を向いている


龍善が

『お前矢田に勝てるか?』

矢田は森を睨み付けている


森は

『こんなヤツ勝てるよ』


豊が

『じゃあお前らやれ』


2人が近付いて行った瞬間


『おー、久々ー』


聞き慣れた声がした


皆んなの視線の先には

一馬(かずま)がいた

俺や光ちんの幼馴染で

光ちんとは小学生では

同じ野球チームだった

家は俺と隣と言って

いいほど近い


光ちんが

『おっ一馬休みか?』


一馬は父の仕事を手伝い

ながらボクシングをやっており

学校には一年戦争前には

来なくなっていた超が付く実力者だ


一馬が

『今からジム行くんだよ』


俺が

『お前学校来いよー』

と言うと


一馬は

『ああ、兄貴も仕事手伝って

親父も体調良くなって来たし、

助かるけど学校行けって

言うから復帰するよ』


全員が

『マジか!?』

『ああ、また宜しくな、聖川と涼の事も

陸から聞いてるよ宜しく頼むわ』

と聖川と涼と握手をした


聖川は

『一馬の事も聞いてるよ、宜しくな』

涼も

『宜しく』

俺が

『何が宜しくだカッコつけ

やがってゴリラが』


『勇と真人は相変わらずな』


と笑った


龍善が

『何だよ早く言えよー、

一馬がいるなら問題ない

お前達今の話忘れろ』


矢田が

『ちょっと待ってよ、

一馬の強さは分かってるけど

それはねーよ』

と言った


俺は心の中で"確かに"と思った


矢田は続けて

『雷神だって』と

多分雷神の席だって

空いてると言いたかったんだろう


龍善が矢田の言葉を遮り

『うるせーよ、双龍にするとか

何とでもなるんだよ』


これにも"確かに"と思った


森が

『ごちゃごちゃうるせーよ』

と言った

瞬間真人が

『おらぁと』

いい“ドス"と腹を殴った


俺と光ちんは

一馬にどうしてこうゆう

状況か説明をした


一馬は

『ようするに幹部の席な、

じゃ2人共やっちゃうわ』

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