「家庭裁判所」

いつも通りの生活を繰り返し

学校も俺たちが頭になり、

今までに増して無敵状態だった

羨ましいと思うヤツらは大半以上だ

何をしようがおとがめなし

完璧アウトな被害者が

出ない限りは自由そのものだ


でも、自由になると不自由になる

飽きるんだ、敵がいない

反抗する相手もいない状態ってのは

刺激がない毎日は不自由に感じた

無い物ねだりってやつだ


聖川と教室の

ベランダでタバコを吸っていた時


俺は

『なぁ、もう6月じゃん?

暑いから窓開けてタバコ吸っても

誰も何も言わないってどうなの?』


聖川は

『何?注意されたいの?

と笑った


『それはそれで切れるんだけど、

何この力が余ってる感じ?

敵がほしいんだよなぁ』


『今戦争になってもお前は

絶対連れて行かねーよ?

言わないよ?』


『は?俺、特攻隊長だよ?

龍神背負ってるよ?

何言ってんの?』


『家裁が終わるまでは絶対ダメ』


『ふざっけんなよ、何?

喧嘩あったの?』


『いや、ないけどダメだっつーの

俺と約束しただろ?』


『つまんねー喧嘩はしてねーじゃん、

どっかと揉め事だったら別だろ』


聖川は

『明後日だろ?家裁に呼ばれたの、

それまでだから落ち着けよ、

本当に何もねーし、

そうしようって俺が言ったんだ

家裁に呼ばれてる最中に逮捕されたら

さすがに終わりだろ?』


はーっと深いため息をつき

『あと2日な?

でも万が一揉め事があったら

言えよ?

絶対手は出さないけど見に行く』


チッと舌を鳴らし

『その辺が落とし所だな、

まぁ2日間で何かあるわけないし

大丈夫だろ、あっそう言えば

俺も家裁について行くから、

お前のおかんに電話しといた』


『何言ってんの"⁉︎"

聞いてねーよ、行けるわそんくらい』


『ダメだよ、お前喧嘩するじゃん』

『だからしてねーっつーの』


『まぁ1か月くらい会えなくなるかも

しれねーし、そんで鑑別で

暴れて年少行ったら当分会えねーだろ?

だから見送りみたいなもんだ』


『分かったよもー、歩く爆弾

みてーな扱いだな』

『実際そう見られてんだよ』


『分かった分かった、でもさ

横浜も広いし世の中すげーヤツ

だっているだろ?

そうゆうのとやり合いてーなー』


『強いのに的を絞ればいいって事だろ?』

『ああ、最強って言ってる学校だけさ』


『それならありだけどさ、

あくまで光ちんは横浜最強を

目指しているわけじゃねーからなあ』


俺は

『それだ!!退屈な理由、

俺が言って来るわ』

聖川が

『ちょっ待て待て、家裁終わってからな』

『分かったよ、ダリーなあ』

『迎えに行くから』

『ああ、分かった』


家裁に行く当日聖川は本当に来た

『おじゃまします』

『ありがとうね、聖川君、

お母さんには連絡しておいたから

学校休ませてすみませんって』

『いやー、いいんですよー、

俺が言い出したんで』


と話しが聞こえて来る


『おう陸、準備は?』

俺はタバコを吸いながら、

『まだ出るまで1時間くらいあるだろ?』

『お前のおかんが飯食いに

連れてってくれるって、

早く着替えろ』

『なんだよもー、いいよー、』


とゴロゴロしながら言ったが


親友がいるってのは、いないヤツと

天と地ほど人生が変わるな

と本当に感じた


俺が『よし、行くか』

と言うと

『こらこら何“喧嘩上等"“天下無敵"

って"龍神“着ちゃってんの?』

『えっ制服だけど』


『制服だけどじゃねーよ』

とめっちゃ笑っている


『学ランかブレザーなんて

分かんねーだろ』

『刺繍が問題だろ』

『ねーよ短ランとボンタンしか』

『んー、下は刺繍入ってねーから

まあ上だけブレザーだな』


『おかしいだろ』


とまた爆笑した


『龍神よりマシだし、今時変わった

制服もあるだろ、それかワイシャツで行け』

『もーマジっすかー?

ビビってるみてーじゃん』

『はい、いいから脱いで

ブレザー持って行くよ』


と聖川の説得とゆう力技に負けて

短ランは置いて行った

途中ファミレスで

親が聖川をいい友達だと何回も言い

俺が1番分かってると言った


家裁に着くと、市役所のような外観で

下にバスがあった

鑑別行きは乗せられるのか、と思い

ながら車を降りると

聖川も降りてきた


お前の呼ばれる部屋の近くにいるわ

ああ、そうか、ファミレスで話してたな

うちの親は兄貴が

何回も着てるから慣れてるんだ

忘れてたと思い


中に入って行くと無機質な感じだった

何個か個室があり、

待ってるガキや親御さんと

思われる方もいた


ベンチで待っているヤツが

見てきたので、


『テメー誰に向かって』


と言いかけだが

聖川にブレザーを引っ張られ

聖川は俺の頭を掴み一緒に

相手の親御さんに


『すみません、気を付けます』

と聖川が言い、無理矢理頭を下げた


少し離れて

聖川に

『お前何もあそこまでしなくてもよ、

めっちゃ見てきたんだぜ』


『目の前で子供が喧嘩売られる

親の気持ち考えろ』


と言われ、反論出来なかった


少しすると中へ呼ばれ

親と入って行った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る