「警察への暴行」
しばらく職員室でコーヒーを
飲んだり、
外にタバコを吸いに行ったり
暇を潰していると
覆面パトカーが見えた
それから警察が迎えに来た
見た事のない顔だった
俺は何も言わず椅子から
立ち上がった
『俺を迎えに来たんだろ、一条だ』
と言うと
教師が
『お願いします』
と言った
俺は
『何のお願いしますだコラァ、
情けねーなー便りっぱなしでよ』
と言い下駄箱へ歩いて行った
車の中では静かだった
特に何かを話すでもなく無言で
窓から外を眺めていたら
いつも歩いている道でも
妙に懐かしい気分になり
昼間でも知ってるヤツが
歩いていないか探していた
20分位で警察署に着き
いつものタバコ臭がする
汚いスチール机とパイプ椅子に
座った
担当の刑事が来て
色々と言われたが
あまり覚えていなかったが
もしかしたら
この言葉が強烈だったから
かもしれない
刑事が
『仲間にそそのかされて
暴れたんじゃないのか?
本当のことを言ってみろ』
信じられない言葉だった
俺の刑を軽くする為の温情だったのか、
本当にそう思って言ったのか
分からないが
ハッキリ言ってイラついた
『俺の事を知らねーのか?
俺には誰も命令は出来ねーんだよ、
それに仲間のせいになんて
絶対にしねーよクソが』
と言い
スチールの椅子を座りながら
下から上へ机を蹴り上げた
『もっと利口な生き方をすれば
楽になるぞ』
と言われたが
『人のせいにして自分が
助かるなら苦しい道を選ぶ』
と言った
『今回は被害届も出てる
しばらく休職するとさっき連絡がきた
家庭裁判所行きは免れねーぞ』
『ああ、そう』
とだけ言った
刑事が
『お前そうやって突っ張る
仲間になれって言われたんじゃないのか?』
とまたぶり返してきた
完璧なめてんな
知らねーヤツだからか
と思った瞬間
刑事の胸ぐらを掴んでいた
『お前なめた事言ってんと
警察でも関係ねーぞオイ!!』
すぐに隣にいた刑事が止めに入った
『やめろ!!いいから離れろ!!』
俺は全力で掴んで離さず
もう殴ってやると思い
腹に思いっきりパンチを入れた
刑事は制服の下に硬い
ベストか何かを着ていた
入った感触がいつもと違った
だが、
『うっ』と言い
『このやろうー、お前より
悪党を差し向けてやるぞ』
とイカれた言葉を発した
『おい、上等だよやってみろよ
誰だって受けてたってやるよ』
"ガシャーン"
パイプ椅子も投げつけ
こいつだきゃー年少入ろうが
警察でも関係ねー
やってやる、と思い
いつも通り構え、
警察は柔道か護身術を
必ずやっている
捕まったら不利だと思い
素早くパンチを繰り出した瞬間
『おい!!』
と言い
止めに入ったのはいつもの刑事だった
『落ち着け!!
家族や仲間が待ってるだろ
兄貴と一緒に少年院に入ったら
家族は小学生の弟だけだぞ』
『コイツが煽って来たんだぞ、
なめてんじゃねー!!』
と叫び
『分かってる、だから俺が
来たんだ落ち着いて話そう、
今あった事はここだけに
今なら出来る』
『ふざけんな、
コイツの言った事も
揉み消してーだけだろ、
こっちは覚悟出来てんだよ!!』
『待て、必ず謝らせる
だから落ち着くんだ、
俺は流の事も抑えられず少年院に
行かせてしまったんだ、
今でもそれを後悔してる!!』
といい俺を抑えつつ
最初の刑事に
『さっきの発言は撤回しろ、
でなければ処分の対象として
報告する!!
早く出て行け、
なんだ今の取り調べは!!』
と言った
俺は
『はーっと深い深呼吸をし、
最初の刑事の手を離し、このなめた
刑事と変われ、殺しそーだ』
と言い落ち着き
最初の刑事はこの署に来て新米
のようだ、頭が上がらない先輩に言われ
『先ほどの言葉な撤回する、
すまなかった』と言った
調書を済ませて"どっと疲れ"
『これは俺の奢りな』
と言いいつもの刑事が
ラーメンの出前を取ってくれた
『お前は流よりも切れすぎだ、
この辺で1番危ないのは分かってる、
もう少し考えて行動するか、
ブレーキをかけろ、
お前の親子さんとも
俺は関係あるし、知らない顔は
出来ないんだ、
流は出てくるのか?』
『ああ、もう少しだ、
親が離婚した事で暴れたり、
中で喧嘩したりでずいぶん
伸びたけど』
『流は強かったなあ、芯があるってゆうか、
喧嘩も強かったが心も強かった。
いい大人になるぞ、手の届かないくらい』
『ふんっ、兄貴にゃ勝てねーよ分かってる、
でも"今は"だからな』
たわいのない話をして
覆面パトカーでは
無言で学校へ戻った
聖川の所へ行き
『捕まっちまった、家裁だってよ』
と言い
『鑑別行くのか?』
『分かんねー、来月位に呼ばれるらしいよ、
刑事も殴ったけど不問にするらしい』
と笑うと
真剣な顔で
聖川が
『お前は無茶苦茶すぎる
警察で暴れる、殴るとか
マジでよー聞いた事ねーよ』
聖川は
『はーっ』とため息をつき
暫く嫌でもルールを守って
年少だけは行くな、頼むよ』
と言われ
『ああ、分かったけどよ
理由がちゃんとあるんだぜ』
と言ったが
『親友としての約束だからな』
『分かったっつーの、お前を
裏切った事ねーだろ?
まだ決まった訳じゃねーんだ
ジュースでも買いに行こうぜ』
と聖川の説教を聞きながら
普段通りに戻り
仲間に会えば一応家裁の事は話した
皆んな心配をしていたが、
もうやった事は仕方ない
後悔もしてねーと思い
呼び出しを待っていた
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