第4話 青春活動発動
俺が学校にパトカーで戻ると
変わらない景色があった。
聖川が気にして
待っていてくれたようで
『陸はいつ帰ってくるんだよ!!』と
職員室で怒鳴り散らしていた
他の仲間も一緒だ
『警察から連絡は⁉︎』
『警察署を襲撃しよう!!』
''ドンドン"
"ドカン"
"ガジャー"
聞き慣れた破壊音だ。
職員室や隣の保健室トイレなど
近くにある物全てを叩き壊し
ガラスが割れる音が聞こえる。
武闘派の仲間は
イライラが収まらず
いきりたっている
そこへ俺が警察を引き連れて
『何かあった?』といつもの事のように
聖川に話しかける
広がって暴れ散らしていた仲間が集まる
『何かあった?じゃねーよ』と笑い
『おー!!帰って来れたか』
『心配したぞ』と声をかけてくれた
俺に気付かず暴れて壁を蹴り上げる仲間の
音と一緒に
一斉に声をかけて来るので
半分は聞き取れない
『まぁ今回は軽い処分で済んだよ』と言うと
聖川が『お前今回は
家裁くらいは行くと思ったよ』と
心配している
『ありがとな』とお互い手を叩き
(パチーン)
と心地よく音が鳴る
横にいた少年課のヤツが
『あんまり甘く考えるなよ』と釘を刺し
職員室へ入って行った
今回の件の処分の報告だ
俺たちは帰ろうぜと話し、
『真人がいたぞ』
『あいつまたかよ』とすでに
過去の話をするように仲間たちと
はしゃいでいた
学校の行事はもうすぐ体育祭だ
今日は光ちんの家で
タバコを吸いながらたまっていた
六畳の部屋にそれぞれが
仲の良い仲間とポテチを食べながら
写真を眺めたり、喋っていたりした。
『誰か体育祭出んの?』と光ちんが聞く
当然出る仲間はいない。
光ちんは『俺応援団長やるから』と
言い出した
俺が『マジでやんの?』と聞くと
『おお、やるよ?』と答えた。
光ちんがやるなら
俺が敵チームの応援団長をやるのも
頭によぎったがやめた
だるい練習や
他の応援団とまともに接する事は無理だ。
『光ちんが白と赤のチームに
別れるから白い学ランと赤い学ランを
学校が用意するらしい』
そう言うと
『えっマジ!?、体育祭終わったら
その学ランいい物だったら
学校からもらおう、くれなきゃ奪い取ろう』
そう言った
とは言え全校生徒の揃う機会だ
暴れ散らして目立つのもいいな。
頭の中は段々何をするかで
いっぱいになっていった
ただ暴れるのも芸がない
光ちんは応援団長を本気でやるしなぁ
開催不可にするのはなしか。
いい方法を考えた
1番の見せ場は400mリレーだよな
アンカーの順番がきたら
俺等の仲間が『どけ』と言い
美味しいとこを持っていくか…
そんな事を考えていたら
政(まさ)という普段は目立たないが
伝統派空手を習っている。
たまたま後ろに座っていた
仲間の1人が後ろから
『陸ー、相談があるんだ』と呼んできた
『何ー?』とこいつが相談なんて
珍しいなと思いながら答えたら
政は
『俺2組の武内奈々が好きなんだ
けど、どうしたらいいかな?』
と恋愛相談だった
ハッキリ言ってその子誰!?
が正直な気持ちだ
俺が『どんな子?』と答えると
政は照れたように
『髪が長くて合唱部の子』と言うが
全然分からない
『ふーん、いい感じなの?』と聞くと
『同じクラスだし、一応話したりはしてて』
んー、全く脈無しではなさそうだ
俺が『告んないの?』と聞くと
『気まずくなりたくねーし
どうすればいいかな?』
と全く情報が足りない状態だが
ようはキッカケと
背中を押してほしいんだろう
頭をフル回転させ、いい方法を考えた
俺が『あるよ、最高の演出』と言うと
政は前のめりになり『いい方法あるの?』
とがっつく。
俺は政に
『あるけど、本当に決心はあるの?』
『本気?』
『青春的な感じの思い付いたけど』
と何度か念を押した
政は『本気!!頑張るから』『頼む』
と"パチン"と音がし、拝むようなポーズ
それなら俺も
本気で力を貸そうと思い
『青春らしく、爽やかで
さらに俺たちらしく、派手にいこうぜ
俺が最高の舞台とタイミングを
作るからさ』と言い
俺の作った作戦会議からは
仲間達も一緒に
俺の案に皆んな同意しはしゃいで
すでに
『おめでとう』
『良かったな』
『何かおごれよ』
とテンションは、最高潮だった
そう、俺たちは悪さもするし
色々な人に迷惑もかけている
だが人一倍仲間想いの、青春真っ最中の
中学校一年生なんだ。
彼女は作らない主義が多いが
彼女を作って幸せそうにしてる
青春を見るのも悪くない。
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