第3話 三鬼龍

俺たちが学校に

普通にちゃんと朝から

行っていたかと言うと

そんな訳がない


気が向けば行くし

ダルければ行かない。

ただ学校に行くと言っても

勉強が目的ではない


そこがたまり場になっているのだ

学校には何百人と人がいる。


俺たちのように

"暴れたい力を発散したい"ヤツらにとっては

いい舞台なんだ


教室とゆう場所に

授業中に入る事もあるが

指定の席に座る事は100%ない


仲間以外のヤツと話しても

退屈だ。まぁ本当に勉強をしたい

ヤツ等にはいい迷惑だ

"突然授業中に入ってきた"と思ったら

いきなり『邪魔だ』と蹴られ殴られる

今思えば無茶苦茶だった。


先生とやらも見て見ぬフリだ

教室に入ったらスピーカー全開で

ノリのいい曲を流し、

酒を飲みタバコを吸いながら

麻雀や、ブラックジャックやポーカー

など賭け事をしながら爆笑している


周りからすれば

学校に来ないでほしいだろうが

この頃は、全ての場所が

俺等の居場所であり

俺等そのものがルールだった。


俺たちの学年は

5組までクラスがあった

中でもひどいのは4組と5組だ


ほとんどの不良が揃っている

仲間が集まる所へ他の組から来るので

タバコの吸い殻や酒の缶や瓶が

ない日はなかった。


そんな荒れた教室でさえ

『タバコは普通のヤツに迷惑がかかる』と

聖川が言い出しベランダで吸う事になったが

こうゆう優しさのある仲間もいたのは

後々救いになった。



まぁクラスにはほとんどいないので

いつもはベランダか庭、

屋上か廊下の広場でたまっていた

大体昼前に来て適当に帰り

そのまま集会だ


俺は学ランの短ランにボンタン。

髪は少し変わって

金髪にピンク色が入っていた


バイカーの仲間は

太い制服を腰履きして

上は好きな服を着ていた


豊は『上は好きな服で下は制服なら、

下はジーンズ、上はワイシャツもいいよな。

…って、そもそも陸学ランだし!』と言って

笑っていた


そうなんだ俺たちは

それぞれに好きな服を着て

好きな時に、好きなヤツ等だけでつるんで

好きな事をする。

ただそれだけでよかった。


廊下を1人で歩いていると

最新のイヤフォンを

持っているヤツがいたので

『それくれよ』と言うと

「勘弁してよ」と言うので

腹にパンチを入れて体を1回転させ

後ろ回し蹴りでぶっ飛ばし

無理やり奪ったのだが

これがめんどくさい事に親にチクリ

警察へ通報だ


次の日学校に行くと、警察が職員室で

待っていたので近くの警察へ

パトカーで向かった。


この恐喝は事実か、など

分かりきった事を聞かれる。

この辺りの大きな警察署だけあって

各中学の事もよく分かっている


どうやら俺は"ブラックリスト"に

入っているらしい。


当然というように

光ちんや、隣の中学の真人も

ブラックリストに入っていた。

まぁハッキリ言って

どうでもよかった

昼時まで長引いたので

カップ麺を出してくれた


食べながら

『ダリィから早く帰らせろ』と

だんだんイライラしてきた頃


少し離れた場所から

見覚えのある顔が見えた

"真人"だった。


『真人ー』と叫ぶと

「よー今日は何したー?」と返ってきた


警官が『ここは警察だ』と言い

真人は奥の離れた場所に

別の警官に連れて行かれた。


頭ごなしに言うのでムカついて

取り調べの事務デスクを蹴り上げ

パイプ椅子を取り調べ室の壁に投げつけた


その時気付いたが

いつの頃からか分からないが

捕まった先輩達だろう


"〜参上" や "少年院上等"など


さまざまな落書きがしてあった。

落書きを見ていると落ち着いたと思ったのか

「もう帰っていいから送って行く」と

言われた。


ただ1つ気になる落書きがあった

[梁山上等]とゆう物だ。


梁山(リョウザン)中学校


俺たちは市の南だが

俺たちの市のほぼ真ん中より少し南にある

卒業生は7割は暴走族に入り

複数の暴走族の連合体の中に

梁山とゆう暴走族がるくらいだ


当然メンバーは梁山中学校卒業生

龍神、雷神、風神、

三鬼龍が代々受け継がれるらしい


そんな噂は聞いた事がある。

今まで遠くてダルカッたが

そんな楽しそうな

学校やっぱ早く潰しに行って

新しい伝説を作りたいと

俺の胸は新しい遊びが見つかった

ような高い高揚感で

機嫌が良かった



梁山中学校の登場は

もう暫く後になるのだが

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る