第10話 楽しい、スキル取得②

 お、簡易ボックスも選べるようだ。

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特殊 簡易ボックス_小

    ┣-----  中    1,000p

    ┣-----  大    2,000p

    ┣-----  特    5,000p

    ┣-----  絶   10,000p

    ┗-----  超   20,000p

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 今、俺が持っているのは『小』。

 順次、中~超をタップして、容量と時間経過をチェックしていく。


 頭の中で器用に整理してみる。


      容量    時間経過  ポイント

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 小    3x3x3m   1/3

 中    5x5x5m   1/5    1,000p

 大   10x10x10m   1/10    2,000p

 特   50x50x50m   1/50    5,000p

 絶 100x100x100m  1/100    10,000p

 超 500x500x500m  1/500    30,000p

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 『大』は確定で、『特』は……欲しいけど……厳しい。けど……、

 「んー、悩むー」


 「なぁ?」

 座るのに飽きたのだろう……勝手に俺の左腿を膝枕しているサクラが見上げながら反応した。


 「簡易ボックス_小のサイズを『特』にしたいのだけど……5千ポイントがキツくて」


 「わたしー『特』~」

 「私も『特』ですねー」

 「『絶』……ふんすッ」


 「マジでかー」


 「ハル―いっぱい入る方が良いよ~」

 「サイズもそうですが、やはり時間経過がおいしいですねー……5千ポイントは高いとは思いますが、性能で鑑みると非常にお得感がありますよー」

 「ハル……ご利用は計画的に、ぐふゥ」


 そうなんだよ、そうなんだよなー。分かっているが、俺のポイントは彼女達より少ないのが現実。それとコトハ、某CMの言い回しは止めなさい。


 一先ず、俺も『特』で……他を節約してもポイント的にダメそうだなら、諦めよう。そもそも『大』でも十分過ぎる性能だしね。


 気を取り直して、他を見ますかねー。あ、そう言えば、戦技系をしっかり見てなかったような。


 えっと、剣術、刀術、拳術、体術は、もっているからスルーして、便利なスキルは……どれどれ……お、これは良いなー……うん、投擲とうてき術にしよう。実際に百発必中いっぱつひっちゅうできたら恰好良いからね。そてと忘れずに短剣術と双剣術もカートに。


 生産系は、先頭に表示された2つ……料理とデッサンを選んでカートへ。

 生産系スキルも色々と取得しておきたかったが、戦闘面を重視したいので、諦めるしかない。


 で、最後に支援系っと。

 お、イメージと違う。バフ系かと思いきや……これは生活支援がテーマっぽいなー。もしかしたら、女神からの細やかな応援サポートか?……それは……ない、な。

 それより異世界召喚された諸先輩方の不平不満の積み重ねの賜物と言った方がしっくりくるかもしれん。理由はともあれ、どれも重宝しそうである。


 まず、生活維持に必要と思われる……アクア(飲み水)、マッチ(種火)、トーチ(松明)、クリーン(洗浄)、ウォーマー(暖房)、クーラー(冷房)をテンポ良くポチポチっと選択して、同じみのカートへ。


 使い勝手や効果は現時点では分からないが、生活改善に大いに役立ちそうで安心と共についついニヤけしまう。


 「ハル、嬉しそうですねー、フフッ」

 俺のニヤけ顔が気になったヒナタからのツッコみ。


 「たぶん、ヒナタもそうなると思うよ。支援系で絞ってみっ!」


 「…ん?……あっ……これは、これは……嬉しいですねー」

 「だろー」


 「えっ!何ー?なに~?」

 「ん?」

 俺とヒナタの遣り取りに興味を持ったサクラとコトハ。


 因みに、コトハは先程から俺の背中に寄り掛かりながらしている。


 「……あっ!時計があるー良かったよ~」

 頭を勢い良く上げ、感想を述べたあと自然落下に任せて元の位置に戻すサクラ。


 気兼ねなく俺の左腿がクッション代わりにされているがいつものことなので気にしない。それよりもサクラ、そこではない。時計も嬉しいがもっと良いものがあると思うぞ。


 「おお……生活魔法っ」

 嬉しさのあまり、立ち上がるコトハ。その後、何事もなかったように座り、俺の背中に寄り掛かり直す。


 そう、生活魔法なんだよねー。こっちの世界ではどのような括りでどのように呼ばれているかは分からないが、俺のイメージでは生活に特化した魔法。

 魔法系で絞った時に表示されなかったから、無いのかと残念に思っていたら……なんと支援系でした。


 ヒナタとコトハの反応から、生活魔法の重要性を十分に認識していると伝わったので安心だが、サクラは、予想と違ったので促しておく。

 「サクラ―、……アクア、マッチ、トーチ、クリーン、ウォーマー、クーラー……取っとかないと後の祭りになっちゃうよ」

 「ん?……クリーン、ウォーマー、クーラーは取ったよ~。……アクア、マッチ、トーチも?」


 「もち」

 「ふぁーい」


 さっき、サクラが言ってた時計ことウォッチも取って、それとアラームも。他は……、メッセージログも便利そうなイメージがあるのでカートに送る。


 更に、温度計、湿度計も送る。


 お、マップもある。少しポイントは高いが気にせず、カートへ。


 まだポイントには余裕はある。……と言っても、後でカート内に放り込んだレベル持ちのスキルを少しでも上げたいので……ある意味、無いようなものなのだが。


 「ステータスバー……ふんすッ」

 「……ああ、これですかーステータスバー。……ハルはどうしますー?」

 コトハから零れた言葉に反応するヒナタ。


 「……良いな~……私もとっちゃう~」

 少し遅れてサクラも反応。


 どうしようかなー。一度、目には止めていたので認識はしている。

 概要では、ステータスの体力と魔力をゲージ化するとあったが……所謂、ゲーム風の視覚ツール的なヤツだよな。


 ヒナタから尋ねられてはいるが……コトハ、サクラ同様に取得するつもりだろうなー。よし、俺もゲットしよう。

 「悩んでたけどー取るよ」


 視覚の邪魔にならなければ良いが……いや、それはないかー。もしそうなら、女神の下に苦情が殺到し、当の昔に改善されているだろうなー……たぶんね。

 そもそも、苦情ともい異議申し立てをどのように女神にしているのか、全く見当も付かないが……。その内に、写メなる便利スキルが追加されそうな気もしないでもない。


 それにしても……ない。鑑定がない。

 鑑定っぽいのでも良いのだけど……ない。やっぱり、ないなー。諦めきれなくて何度も探したが……見つからない。


 念のため、彼女達にも確認する。

 「鑑定なんだけど……ないっぽい?」


 「ないよ~」

 「ええ、残念ながら私も見てないですねー欲しいのですが……」

 「残念」


 ですよねー。

 因みに、隠蔽、隠密、探索などのスキルもなかった。


 無いのは仕方ない……諦めである。カート内の最終チェックと微調整をしていく。


 あれやこれやと増やしたり減らしたりを只管ひたすら繰り返す。


 で、ようやく、ポイントを使い切ることができた。

 取り敢えず、満足できたので、そのままの勢いで『完了』ボタンをタップする。


<Dice★Challenge:スキル:反映処理完了しました>


 「ふー、終わった」


 「ふぇ?」

 「ハル―終わったのですかー早いですねー」

 「む?」


 「キリがないから終わらせたよー。……それに、時間を掛ければ掛けるほど後悔しそうだしね」


 「ならー私もー」

 「ええ、そうですねー際限がないですからねー。なら、私も……ですねー」

 「むむ!?」


 サクラとヒナタは、俺同様に終わらすようだ。コトハは、もう少し時間を必要としているっぽい。


 「……コトハ、俺達のことは気にせず、焦らずにやれー」


 「コトハーがんば~」

 「一番ポイントが多いですからーある意味、大変ですねー」

 「頑張る……ふんすッ」

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