登校

バブみ道日丿宮組

お題:限界を超えた雪 制限時間:15分

登校

 大雪警報が出てた。

 だというのに、学校からの連絡はない。

 専門学校だからだろうか?

 苦労しながら、マンションの階段を降りてく。階段は厚さ10cmほど積もっており、足が埋まった。1階にたどり着く頃には、靴はびしょびしょだった。

 駅までの道はそれなりに積もってるだけで、歩行するのには問題がなかった。

 最寄り駅まで到着すると、【運転見合わせ】と電光掲示板に表示が出ており、駅は人でいっぱいだった。なんでも始発から既に止まってたとかなんとか。バスが動いてる電車がある駅まで無料で運んでくれるとのことだったが、そこはもう長蛇の列。タクシーもたくさん並んでる。

 来る前に調べておけばよかった。これじゃ、学校があったとしても行くことはできない。

「……ふぅ」

 スマホを取り出して、同級生にメッセージを送ってみる。

 返事はサボってもいいんじゃないかというもの。同級生はもう行く気はさらさらなく、部屋でだらりとしてるらしい。

 僕もそうすればよかったとは思うものの、食べ物の貯蓄がないのでどのみちスーパーには足を運ばなきゃいけなかった。

 来た道を折り返すことにした。

 雪はこれからまた強くなるらしいので、それまでに家でぬくぬくとしてたい。

 駅前にあるお店はどこもお休みになってた。あいてたところで、人はこないだろうし、臨時休業ということで休んでほしくもある。

 亡くなってる祖父がお店を開いてたのだが、ほとんど休みなく営業してたため、不安しかなかった。お父さんに止められなければ、死ぬまで続けてたのだろうと思う。

 けれども。

 お店をやめた祖父は、日々衰弱していって、半年後にはなくなってた。やりがいという生きがいがないと人間は終わってしまうのかも知れない。

 都会のお店は若い人が仕事をしてるが、死はいつやってくるかわからない。

 僕もこの雪で死ぬかもわからないし。

 徒歩30分を超えてようやくマンション近くのスーパーまでこれた。

 張り紙が貼っており、午後3時には閉店するとのことだった。

 お昼近くとはいえ、売ってくれるのであれば助かる。

 3日分の食料を買い込むとマンションに戻った。

 踏み抜いたはずの雪は既に階段をまた覆っており、げんなりとした。

 部屋につくなり、お風呂のスイッチを入れて、靴下を脱いで、タオルで拭いた。

 暖房も高く設定し、ベッドの中へダイブ。

 慣れない雪道だったせいか、こくりこくりと意識が消え始めた。


 目をさますと、ベッドが濡れてた。

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