十二ノ環・墜落の麗人4
「あ、ん……ッ、う」
また指を入れられました。
今度は二本、三本と増やされていき、ナカを解されて引き抜かれる。
そして次に男が取り出したのは男性器ほどの大きさの植物の茎でした。でこぼことした凹凸のあるそれは禍々しい形をしています。
「な、なんですか、それはっ」
声が震えました。嫌な予感がして全身ががたがたと震えだす。
逃げたいのに腰を鷲掴まれ、逃げることは許されません。
そして植物の先端が後孔にあてられ、そのままゆっくりと入れられました。
「は、あっ、ああ……っ、や……ッ!」
後孔に異物が入ってくる。
凹凸が擦りながらナカを満たしていくのです。
恐ろしい快楽に眩暈がしました。
「あぅ、あ……ッ、あ」
異物が奥へ奥へと入っていき、背中が仰け反り、突き出した胸の突起を男にしゃぶられる。
お尻も、胸の突起も、じんじんと熱く疼く。
「ああッ、あ……やぁ……っ!」
浅く抜き差しされながら異物が奥へ入ってくる。
ゆっくりと進められ、最奥ではぐりぐりと押し付けられました。
「ああッ」
頭がくらくらするほどの快楽に、唇からは馬鹿みたいな声だけが漏れてしまう。
頭を振って快楽を拒絶するも抜き差しされるたびに凹凸が弱い箇所を刺激するのです。
「いやッ、あ、あ……! もう、やめてっ……!」
異物でグチュグチュとナカを掻き回される。
その間も、胸やお腹を嘗め回され、むしゃぶりつかれ、嫌なのに体が快感に震えています。
全身が痺れたように力が入りません。今や体の全てを敏感にされ、胸の突起を抓まれただけで達してしまいそうです。
「あっ、あっ、あ……ンッ、ダメです、ダメっ、ああッ……!」
一番奥をぐりぐりと刺激される度に電気のような痺れが走り抜ける。
それは全身を、指の先までじんじんと甘く痺れさせます。
肩、脇、太もも、膝、全身のあらゆるところをむしゃぶられ、舌を這わされました。
そして最初は緩やかだった異物の抜き差しが、次第に激しくなっていく。
「あ、待って、まってくださいッ」
また強制的に快感が高められていく。
性器は触られてもいないのに張り詰め、先端からは先走りの雫を零してしまいます。
足を閉じることも許されないまま後孔を異物で激しく抜き差しされました。
「あぅっ、もうやめて、やめてくださいッ、抜いて……!」
ズンズンと奥まで攻められる。
全身が痙攣したように引きつり、力が入って足の指が丸くなります。
激しい抜き差しと、凹凸の刺激。何度も達したのに、またっ。
「いきたく、ないッ、いきたくないですっ! あッ、ああ……んンッ!」
限界に達して欲を散らしました。
もう何度達したのか分かりません。吐き出した白濁も色を無くしています。
しかし私の体が解放されることはありません。終わりのない凌辱に意識が朦朧となっていく。
「あっ、またッ、……ぬいて、動かさないで、くだ、さいっ……、ああっ、う」
達したのに異物は抜かれることがなく、また奥を攻められました。
ナカを刺激する凹凸が容赦なく快感を高めてしまう。
ズンズンと奥を突かれる度に、あッ、あッ、と高い声があがる。
抵抗するも嬌声混じりのそれは、ヘルメスの愉悦を満足させる為だけのもの。
「いい姿だ。魔王様や勇者様に守られ、誰も手出しできないブレイラ様が嬌声をあげて腰を振る姿。クククッ、見ているだけでイってしまいそうだ」
ヘルメスの股間にそそり立つものがびくびくと更に大きくなる。
捩じ込む先を探して先走りを垂らすそれは、凹凸の異物よりも禍々しい。
「ぬいて、くださいっ……。ぬいて、やあッ、アッ、ああンッ」
異物でナカを掻き回され、また強制的に達せさせられました。
少し動かされるだけで強烈な刺激となるのです。
これは間違いなく凌辱。私の心と体を折るための拷問。
「やッ、もう、いやッ……、ンンッ。っ、いったのに、いったのにっ……! またッ」
高い嬌声をあげてまた達せさせられる。
強制的に達するたびに意識が遠のき、体が快楽に従順にされていく。
今や抵抗に身じろぐことも出来ず、異物の動きに合わせて腰を引いたり浮かせたりするだけ。びくびくと跳ねる腰を力で押さえつけられ、ナカを好き放題に掻き回されて、また達せさせられるのです。
「ぅあッ、ああッ、や……! ンッ、ああ……!」
口を閉じることもできずに嬌声が上がり続けます。
そして達しても何も出なくなった頃、酒を飲んで観賞していたヘルメスがゆらりと立ち上がりました。
「縄を外せ。縛ったまま犯すのは趣味じゃない」
命令に私を拘束していた縄がようやく解かれます。
自由になった腕と足。動くのに、動かない。
快楽に疲弊した体は、指一本すら満足に動かせなくなっていたのです。
「あ、いや……、いやです……。こないで、くだ、さい……」
逃げたいのに、快楽に侵された体は震えるばかりで動きません。
そんな私をヘルメスが嘲笑う。
「逃げなくても良いではないですか。今からこれで玩具よりも気持ち良くしてあげますよ」
ギシリッ、ヘルメスの体重を受けてベッドが軋む。
ヘルメスは私の足を掴み、がくがくと震える体を引き寄せる。
そして足を開かされ、腰を浮かされる。
散々に弄ばれた後孔がひくひくと蠢いているのが自分でも分かりました。
「ハハッ、ここは正直だ。早く入れて欲しがっている」
「やっ……うぅ」
ヘルメスの太い指が後孔の淵をなぞりました。
弄ばれた後孔は赤く熟れて熱を持っている。指の刺激にひくひくとして、それはまるで指を飲み込もうとしているような動きです。
ヘルメスは欲望に目を爛々とさせ、勃起した巨塊を私の太ももに擦りつける。
「今からこれを入れて、思いきり奥を突きあげ、ブレイラ様が叫ぶほど腰を振ってあげましょう。ほら、楽しみでしょう」
巨塊を挟むように太ももを閉じさせられ、背筋に悪寒混じりの快感が走りました。
太ももで巨塊を挟んだまま、見せつけるように私の上で腰を振ってみせるのです。
「ぅ、やめてくだ、さいっ……、やッ」
あまりの恐怖にがたがたと全身が震えました。
いつ犯されるか分かりません。怖いです。怖くて堪りませんっ。
ハウスト、ハウスト……っ。助けてください、助けてください!
ハウストを呼ぶことはできないと分かっているのに、それでもハウストを思ってしまう。
そんな自分が許せない。でも怖くて怖くて涙が溢れて止まりませんでした。
「うぅっ、う……っ」
漏らしたくないのに嗚咽が漏れてしまう。
男の下で泣く私にヘルメスは更に昂ぶり、「これは堪らない」と息を荒くする。
ヘルメスが私の太ももから巨塊を引き抜き、後孔に先端を当てようとした時。
「ここに客がいると聞いたが」
カチャリ、寝室のドアが開きました。
入ってきた人物に目を見開く。
「あなた、ゼロ……」
朦朧とする意識の中で見たのは、ずっと探していたゼロでした。
でもすぐに違うと気付いてしまう。
視界が涙で滲みました。
「ちがう、……あなたは、ゼロス」
冥王ゼロス。どうして間違えたのでしょうか。
絶望に次から次へと涙が溢れてくる。
ハウスト、イスラ、ゼロ。会いたいです。もう一度、会いたいですっ……。
もう会うことができない絶望に、意識が暗く、遠く落ちていきました――――。
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