十二ノ環・墜落の麗人3
「いやっ、離しなさい! あっちへ行きなさい!」
拒絶の言葉を叫ぶも、三人の拷問官は作業のように行為を進める。
両手を後ろ手に縛られ、両足を開いたまま折りたたむように固定されました。
身じろぎすら許されないほどきつく拘束され、胸の突起も、性器も、奥の後孔も全てを明るい場所で晒される。
「いい恰好ですなあ、ブレイラ様。なるほど、魔王を陥落した体はこういうものか」
ヘルメスはベッドから少し離れた猫足のソファに座り、酒を飲みながら私を見ている。
舐めるような視線が全身に注がれてゾッとしました。
ヘルメスの股間の浅黒い巨塊はそそり立ち、浮き出た血管がびくびくとして気持ち悪い。
あまりのおぞましさに全身の血の気が引いていきます。
でも、三人の拷問官の手が無遠慮に伸びてくる。
「やめなさいっ! 触らないでください!」
両方の胸の突起を指で転がされ、両脇を撫でながら足の付け根まで下りてきました。
性器を触れぬまま、手はお尻の割れ目をなぞる。
後孔をくすぐるように弄られて背筋に痺れが走りました。
「い、いやですっ、やめてください……!」
恐怖しかありません。
首を振って身じろぐも体は三人の男の前に晒されている。
胸の突起を口に含まれ、小粒のそれを嘗め回されます。
「舐めないでくださいっ、汚らわしい!」
声を上げて逃げようと身をよじります。
でも嘗め回されていた突起に歯が立てられ、チリリッとした痛みが走りました。
それは甘噛みで繰り返され、不意を突くように強く吸い上げられる。
「やッ、あぁ……、うぅっ」
高い声が上がりました。
腰がジンッと熱くなる。丹念に舐められ、じわじわと刺激されていたところを強く吸われたのです。それは痛みを快感に変えるものでした。
体がふるふる震えてしまう。
刺激を受けた胸の突起は充血して色づき、硬くなってしまっている。でも、それだけではありませんでした。
私を観賞していたヘルメスが声を上げて笑うのです。
「おや、気持ちよくなってしまったかな? そこも熱くなっているようだ」
そう言ってヘルメスが私の体を見て嘲笑します。
ヘルメスの言う通り、最初は恐怖に縮こまっていた私の性器が少しずつ立ち上がりだしていたのです。
胸の突起を吸われたまま、男が私の性器に顔を近づけました。男の吐いた息を感じるほどの近い距離。
「ち、近づけないでくださいっ……」
私の声は震え、お尻で後ずさります。
でも腰を両手で鷲掴まれると、ぱくりっと性器を口に含まれる。
「あっ、……んぅッ」
生温い粘液に性器を包まれ、下肢に熱が集中しました。
腰が甘く痺れ、それを誤魔化そうと頭を振る。
しかし男は性器を舌で嘗め回し、ジュルジュルと吸い上げたのです。
「やあッ、やめ、吸わないで、くだ、さい……ッ! あッ、やあ……!」
快感が背筋を駆け上がり、びくりっと体を逸らしてしまう。
そうすることで突き出す格好となった胸の突起を別の男に吸い付かれ、また別の男が仰け反らせた首元に舌を這わせる。
全身を舐められ吸い付かれる感覚はゾッとするほど恐ろしく、おぞましく、気持ち悪い。
でも抱かれる快楽を知る体は、心に反して快感を拾い出してしまう。
「うぅ、もう、やめ、て……ッ。ああッ……!」
また性器を吸われ、強制的に快感を高められていく。
吸われる度にジュルジュルと卑猥な音をあげられ、まるで耳を犯されているような眩暈を覚えます。
そして高められた快感は限界に達してしまう。
「やめっ、あッ、いくっ、……うっ、いきたくないッ、いきたくないです! ああッ!」
拒絶の声とともに昂ぶりを解放させられました。
しかも白濁は咥えていた男によってすべて吸い上げられ、腰がびくびくと馬鹿みたいに跳ねてしまう。
ハアハアと荒い呼吸が漏れる。でもその呼吸を整える間もなく、今度は後孔に指を一本突き入れられました。
「あぅッ、あ……あッ」
あれほど侵入を拒んでいたというのに、強制的にいかされた体は拒むことができない。
心はどれだけ拒絶しても、体はじわじわと高められていたのです。挿入される悦びを知る体は、それを無意識に受け入れてしまう。
「いやですっ、やッ、抜いて、……抜いてください……ッ!」
お尻で後ずさるも、突き入れられた指も奥へ奥へと追ってくる。
逃げられぬように別の男に背後から肩を押さえつけられ、思うままにナカを弄られました。
そしてお腹の裏側を擦られ、喉を仰け反らせる。
「ああッ、やっ……ンンッ!」
びりびりと全身に電気が走ったようでした。
弱い箇所を刺激され、全身ががくがくと震えだします。
しかし作業のように行為を進める男たちは、構わずにそこを刺激してくる。強制的に快楽を高めてくるのです。
何度も指で擦られ、お腹がきゅっと締まる。
「うっ、やめてッ、また、あッ、ダメですッ、……さっき、イッたじゃ、ないですかッ!」
達したばかりなのに、また強制的に熱を解放させられました。
今度は自分の腹に白濁が散り、その情けなさに涙がこみ上げる。
でも私を気遣う者はなく、また性器を口に咥えられ、指でナカを擦られました。
前と後ろを同時に刺激され、いやいやをするように頭を振る。
「もう、離して、くださいっ。もう終わって……、あっ、あぅ……んっ!」
太ももが小刻みに震え、腰がびくびくと跳ねる。
まるで指の動きに合わせるかのような腰つきに、観賞しているヘルメスが高らかに笑います。
「どうやらブレイラ様は感度が大変良いようだ。魔王様もさぞ愉しんだのだろうな。どれ、ナカはどうだ。少しは緩んだか?」
そう言ってヘルメスが椅子から立ち上がり、ベッドに上がって私の前にくる。
そしてナカを弄っていた男をどかせると、なんの躊躇いもなく指を一本入れてきました。
「はぅッ、……ぅっ」
「どうだ、この指は。気持ちいいか?」
「やめてッ、抜きなさい、早くっ! ああッ……」
指一本とはいえ戦いを生業にする男の太い指です。
今までの指より圧迫感があり、息苦しさに唇を噛む。
しかしナカで指を曲げられ、「あんッ」と高い声が漏れました。
視界が涙で滲む。これほど憎く、忌々しく、嫌悪を覚える相手だというのに、全身に走ったのは痺れるような快楽なのです。
「これは愉快だ。ほらどうだ、どうだ」
「あッ、や、……ぅっ」
腰が無意識に動いてしまいます。
指を抜こうと腰を引いても、ナカを擦られると腰を浮かせてしまう。
腰を捩って逃げようとするのに、指を曲げられると腰が重くなって押し付けるような動きになる。
それを見てヘルメスは顔を愉悦に歪めました。
「男に興味はないが、やはりこの体は試してみたい」
ヘルメスはそう言ってニタリと笑うと、指を激しく動かしだしました。
弱い箇所ばかりを狙ったそれに甲高い声がもれる。
「も、もういやですっ! イかせ、ないでっ、くだッ、っ、ああんッ、あ!」
「体はイカせてくれと鳴いているぞっ。オラッ、イケ! イケ! 奥が好きか! オラッ!」
「やああッ、あッ、ンンッ!」
パタパタと白濁が散り、ヘルメスの手を汚しました。
ヘルメスは笑いながら指を引き抜くと、手に着いた白濁を見せつけるように舐める。
涙目になりながらも睨みつけると、ヘルメスは酷薄に目を細めます。
そして私の顔を押さえつけるように顎を掴むと、頬をベロリと舐められました。
「ひぅ……ぅっ」
「美しい顔だ。まるで甘露のような甘い味がする」
あまりの気持ち悪さに背筋が冷たくなりました。
せめて顔を背けて唇を硬く閉じるも、唇を覆うようにして口付けられる。
気持ち悪い。悪寒が走って嘔吐しそうです。
「ぅぐっ、うぅっ……!」
食べられているかのように、唇を舐められて歯を立てられる。
まるで味わうように顔中を舐められました。
「これはいい。これほど美味いなら、入れたらさぞかし気持ちいいのだろうな」
ヘルメスはそう言ってまた指をナカに入れ、無遠慮に動かしてくる。
ナカを探るように指を動かし、不満気に表情を顰めました。
「締め付けてくるのは悪くないが、まだ窮屈なようだ。早く解せ」
ヘルメスは指を引き抜いて男たちに命じます。
そして私を見てニタリと笑う。
「ブレイラ様を待たせるなど不敬というもの。これがあなたに入りたくてうずうずしている」
「うっ、いやです……! ぜったい、いや……っ」
そそり立つ巨塊を見せつけられて全身から血の気が引きました。こんな下劣な男、見たことがありません。
ヘルメスは高らかに笑うと、ベッドから降りてソファに戻る。
新しい酒便を開けて直接豪快に飲み始めました。
「続けろ。早く準備を終わらせろ」
急かすヘルメスに男たちは無言で頷く。
拷問官は主の命令に絶対服従。淡々と遂行するだけの存在なのです。
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