第6話 Why

その日は大雨の日だった。




「おめでとう。

君と妹さんは正真正銘、血の繋がった兄妹だよ。」


頭を鈍器で殴られたような気がした。

美希と俺が本当の兄妹……?

「良かったじゃあないか。

まぁ妹さんはまだ若いし、顔つきももう少ししたら似てくるかもしれん。」

じゃあ今まで美希に抱いてきた感情は?

これから美希と育む愛は?

「じゃあ気をつけて帰りなさい。」

俺は美希を愛することすら許されないのか?


胸の中に黒々とした感情が湧き上がってくる。


なんで、兄になんか生まれてしまったんだ。

なんで、彼女と血が繋がってるんだ。

なんで好きな人に好きと伝えられないんだ。

なんで愛することを許してもらえないだ。


俺は氾濫した川に

身を乗り出した。





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