第12話 幸せと幸せ



 屋上に戻ってから俺たちは学校でキスするのはやめておこうと言って反省していた。


 となればいろはを俺の家に呼ぶしかない。


「いろは、週末は俺んちに泊まりにくるか?」


 俺はいろはに聞いてみた。


「翔真さんの家……ですか?」


「ああ、安心しろ。俺はアパートに一人暮らしだから」


「えっ、そうなんですか? ご家族は?」


 俺はいろはに事情を話した。


 こんな俺の話しでもいろはは真剣に聞いてくれていた。


「そうだったんですね……」


「だからいつでも俺んちにこいよ」


「は、はい! ていうか、翔真さんが自分のことを話してくれて、オレめちゃくちゃ嬉しいです!」


「おう」


 いろはが俺を見上げてニッコリと笑った。


 今すぐ抱きしめたいという想いがこみ上げてきたがグッと我慢した。


「じゃあ週末な」


 俺はいろはの頭を撫でた。


「はい!」






 いろはと二人きりの部屋はなんだか落ち着かなかった。


 いろはが俺の部屋にいるというだけでなんだかソワソワした。


 これまでたくさんの女がこの部屋に出入りしたけど、こんなにドキドキすることはなかった。


 自分でも笑ってしまうくらいに緊張していた。


 (好きだ……)


 隣に座っているいろはの横顔を見つめていると俺はたまらなくなった。


「もうダメだ……」


「わっ」


 俺はいろはを抱えてベッドに押し倒した。


「しょ、翔真さん?」


「夜まで我慢しようと思ったけどもうダメだ。待てねえ」


 俺は軽くいろはにキスをした。


「翔真さん、その……するんですか?」


「は? 嫌なのか?」


 いろはは激しく首を振った。


「嫌じゃないです。嬉しいです」


「じゃあ……どうした?」


「その……オレ初めてで緊張して……」


 いろはは自分の顔を両手で隠した。


 (可愛い……)


「俺も……すっげえ緊張してる」


 俺はそう言いながらいろはの服を脱がせていった。


 白くて綺麗な肌が現れた。


 首すじから少しずつゆっくりと舌を這わせていき、ピンク色の可愛い乳首を口に含んで吸いあげた。


「ふあっ……」


 感じてくれているのだろうか。


 可愛い声を出したいろはの顔が見たくなった。


「顔……見せて」


 いろはの両手を掴んでベッドに押さえつけた。


 真っ赤になって今にも泣きそうな顔に俺はものすごく興奮していた。


「いろは……可愛い」


「翔真さん……」


 いろはの髪を優しく撫でた。


「俺、こんな、好きって気持ちでセックスすんの初めてで、緊張してうまくできるかわかんねえ。いろは、痛かったらすぐに言って?」


「……はい」


 用意しておいたローションを手に出していろはの小さなお尻の穴に指を入れた。


「あっ……」


「大丈夫か?」


 ゆっくりと動かしながら指を増やしていった。


「ハアッ……ン……、はい……」


 ギュッと締め付けられる指でお腹の方をこすった時、いろはの腰がビクッとなって浮いた。


「アァ……、やっ……」


「ここ? 気持ちいいのか?」


 俺はその場所を中心に責めあげた。


「やっ……、ンァッ……、きもちい……」


 (……ヤバい)


 限界だった。


 俺は指を抜いてから服を脱ぎゴムを着けた。


「ごめんないろは、もう限界」


 俺はガチガチになった自分のモノをいろはの穴に押し付けた。


「ンッ……」


「挿れるぞ」


 いろはにキスをしながらゆっくりといろはの中に入っていった。


「アンッ……。ハァ、ハァッ……」


「大丈夫か?」


 そう言いながら俺は一気にいろはの奥まで突き上げていた。


「んあっ……」


「全部、入った……」


 俺はいろはを抱きしめた。


「動くぞ」


「はい……」


 ゆっくりと腰を動かしていった。


「ンッ……やぁ……大っき……」


「いろは……気持ちいい」


 俺はだんだんと動きを早くしていった。


「アッ……いい……」


「いろは……可愛い……」


「やっ……ダメッ……。デちゃう」


「あっ……俺も、もたねえ……」


 あまりの気持ち良さに俺の腰は激しくいろはを突き上げるのを止められなかった。


「翔真さぁん、好き……、好きです……」


「俺も……っあ……」


「イクッ……、イッちゃう……」


「んっ……」


「あぁっ……」


 俺はいろはがイクのと同時にいろはにキスをしながら……イッた。





 しばらくベッドに横になったまま俺は後ろからいろはを抱きしめていた。


「体、大丈夫か?」


 あれから二回もいろはの中に挿入ってしまった俺はいろはの身体が心配だった。


「なんとか……大丈夫そうです」


 俺はいろはを抱きしめていた両手にギュッと力を入れた。


「いろは、ありがとな」


「えっ?」


「俺に好きって気持ちを教えてくれて」


「そんな……」


 いろはは俺の方へと向きなおした。


「俺、セックスして幸せだって感じたの初めてだった」


「オレも幸せです。大好きな翔真さんとこうやって一緒にいれて」


 いろははまた可愛い顔を赤らめて俺を見つめた。


「お前なぁ。煽るなよ。また挿れたくなるだろ」


「えっ? あっ、……もうムリですよぉ」


 困った顔のいろはも可愛いかった。


「あはは、冗談だって。これからずっと一緒にいるんだし、もういろはは俺のモノだしな」


「え?」


 いろはが驚いた顔をした。


「ん? 嫌か?」


「いえ、嫌じゃないです。嬉しかったんです」


「そっか」


 俺はいろはのおでこにキスをした。


「翔真さんって意外と独占欲強かったんですね」


 いろはが笑いながら言った。


「俺が?」


「はい」


「……なんか、格好悪いな俺」


「そんなことないです。翔真さんは格好良いですよ。オレの彼氏ですもん」


「……はは」


「あは……」


 俺は幸せを感じていた。


 二人で笑いながら俺はいろはに感謝していた。


 初めて人を好きになれたこと。


 好きな人と一緒にいるだけで幸せな気持ちになれること。


 それを教えてくれたいろはに感謝するとともに、俺はいろはを精一杯大切にしようと心に誓ったのだった。






          完







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