その19
アレク「そろそろやめてもいいんじゃないか。」
男「いいや。あれは良い研究だよ。」
アレク「たしかに。基本的に、貴方の思惑道理になる様にできている。」
男「っ。世のことも考えているよ。」
アレク「そうか。それでは、この研究を世に知らせてやろうか。」
男「それは困る。まだ研究の途中だよ。」
アレク「そうか。ではこの、女の体の量産とは何だの研究だ。」
男「えっと」
男は目が真っ白になった
トドル「俺も質問していいか?」
アレク「トドル。何でも聞くといい。」
トドル「おじさんは、本当はにいちゃんを知っているのでは?」
男「いいや知らないよ。どうしてかな。」
トドル「何となく。」
アレク「トドル。どういうことでその考えに行き着いたんだ。」
トドル「何となく、知ってるかなって。」
アレク「なるほど。お前のその直感、残念だが今回はハズレだ。この男はにいちゃんを何も知らない。」
トドル「あう。」
男「すまないね。」
アレク「ただ、いい線は行っているぞ。」
トドル「えっ?」
アレク「後で説明をする。.....ディーター、貴方はこの研究の結果、深い闇に陥ってしまっている。」
男「うん。知ってるよ。私はしがなくなった。」
アレク「研究内容は全て自我のためであり、本来は私欲のために少ししたモノを作っていただけだったのだろうが、それだけしか考えられなくなり、やがては自分でも分からずに迷惑なものを作っていた訳だ。」
男「そうだよ。すまないね。私は既にそうだ。」
アレク「他の欧米の国でも貴方の様な作品があったようだ。」
男「セルビアに来るのは8回目の欧米国の引っ越しで滞在かな。」
アレク「欧州の色々な国で自作を出していたのか。」
男「そうだよ。私はセルビア人じゃないんだ。ドイツ出身で、物心がつくまでドイツ暮らしさ。自分の作品を出したくなってフランスやノルウェーやイギリス、イタリア、ポルトガル、ロシア、隣のクロアチアにもいたよ。何となく隣国に行きたくなってセルビアだ。」
アレク「なるほどな。そこまで私欲に溺れていたか。そうか。」
アレク「おめでとう。貴方の成果はなっていた。俺たちも気づかない間に貴方の作品の影響の何かを見ていた可能性があるね。」
男「そうだよ。へっ。」
アレク「..........俺からの聞きたいことは終わりだ。」
ガヴロ「あの、アレクさん。その人、どうするの?」
アレク「このまま、ヨーロッパ国際連合へ極悪犯罪人として連行するぞ。」
男「や、やめてくれ」
アレク「止める訳が無いからな。すまないが、貴方の研究はこれでエンドだ。」
男「クソ..... あぁ、母さん....」
アレク「言っているといい。反省をして母さんに合わせる為の顔を作るんだ。」
男「母さんは死んでいるんだが」
アレク「簡単に考えろ。その時の為に今からということだ。」
そうして、俺たちは建物を出て、おっさんのガム塗れをアレクさんがさらに二重に何かの力をかけて運んだ
おっさんは「早くこのガムを解いてくれ」と言っていた
みんなはそれを無視した
アレクさんが「後で解いてやるからな」と言っていた
そうしておっさんを運ぶモノにしたものをアレクさんの車の中に詰め込んで
みんなも乗って、出発をした
目指すは帰る、地球だ
トドル「そういえばアレクさん。」
アレク「どうした。」
トドル「アレクさんって、あの施設の中をどうして普通に目的へ向かって進めていたの?真っ暗だったし、どこがどこだか分からないはず。」
アレク「あぁ。それはな、あの警察署の後、署内から俺が少し何かをしてあの男の研究所の施設マップを認識したんだ。」
トドル「なるほど。」
アレク「俺だからな。」
そうだったんだ。アレクさん、やるなあ。
トドル「あと、あのおっさんがにいちゃんのことを知っているというのは間違っていたのに、いいせんだったのは」
アレク「それな、あそこでボグダンの事を思えるその精神だ。それこそが、彼への熱い想いであり、いいことなんだ。だからある意味正解とも言える。」
トドル「うーん。そうなのかなあー。」
アレク「そうだぞ。自信を持つんだよ。その精神があれば、何事も解決できるからだ。」
俺はその瞬間に何かを納得したが
何なのかはよく分からず
あまり気にしないことにする
スザナ「これで事態は終わったかしら。」
アレク「その様に見えるが。何か違和感でも感じるか、スザナ。」
スザナ「うーん。おにいちゃんのこともよく分からなかったわ。」
アレク「ボグダンか。」
そういえばにいちゃんのことはまだよく分かられていない
結局、何が何だかよく分からないまま終わった感じだ
エリックは顔を下に向いている
アレク「ボグダンのことはな、今は何も分からなくていいのだと思うぞ。そもそも、死んだ者として認識されている存在についてよく分からない様なことは、それ以上は詮索してはいけないのだろうね。」
スザナ「なるほど。」
一理ある
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