その15

エリック「そうですね。貴方が彼を作り、やがては彼を殺すように仕向けましたね。」


男「いいや。エレナは首を落とされていたね。名前を言ってしまったからだよ。」


エリック「その説だけでは薄いのです。」


男「というと」


エリック「貴方はそもそも何故、おじさんに彼を接触させました」


男「私の作品との出会いにいいかなあと思って」


エリック「彼は破壊的でした。触れさせるべきではない。貴方はおじさんを彼に接触させて彼との仲を深めさせました。その最初に彼がおじさんに「俺の名前を言ったらその首がないぞ」と言わせましたね。」


男「うーん。そういうことをしたかなあ。」


エリック「したのです。その結果、仲が深まって油断をしていたおじさんは、うっかり彼の名前を言いました。ここら辺。」


男「あー、ちょっとその先、何を言うのかなあ。」


エリック「貴方は僕達フーズを知っている。敢えておじさんを、僕達に接触させましたね」


男「いいや。彼は自由に行動をしているよ。」


エリック「いいえ。その説は、通りません。彼は僕達を監視していましたからねえ。」


男「そう、か。興味を持ったのかもね。君たちに。」


エリック「そうですね。貴方が僕達を知るように、知りたかったのでしょう。」


男「」


エリック「あのAIはフーズに居ました。そして、彼に僕達を監視する様に命じて、先ずは真面目さがあるドラゴス。この青頭巾の子に監視の家来を付けさせました。するとこの子は子供相手の役目でもある、おじさんに相談をすることを想定していましたね。ここら辺で警察署といえばここだけですからね。」


男「仮にそうだったとして、何かな。私は何もしていないが。」


エリック「おじさんの首を落としたのは貴方なのですが」


男「ええと、彼だよ。」


エリック「はい。ぼくたちフーズに監視をさせて、ドラゴスくんを使って、事を起こして、おじさんを殺しました。」


男「私が悪いと何でも言いたいのだね」


エリック「はい。事は、貴方が全てです。」


男「なるほど。そこまで分かっているなら、うん。言うか。そうだよ。君の推理のとうりだ。」


男が本性を現した....!


エリックの推理は当たっていたんだ......


俺たちは顔を見合わせる


男「リチャードはね、私が銀河系のある星のある都市に住んでいた時に作った作品なんだ。」


エリック「貴方は、これから犯罪で」


男「いいや。私は捕まらないよ。何が何でもね。そもそも、話をしにきたのだろう?話は出来たじゃないか。それでいいじゃないか。」


事は解決したように思えるが、何だかスッキリしてない感じだ


アレクさんが静かに不敵な笑みを浮かべている


エリック「ところで、貴方はフーズを知っているからボグダンさんのことも知っているな。」


男「あぁ。知っているね。」


エリック「にいちゃん。ボグダンさんは、今どこにいる」


男「それは分からんよ。本当に、分からないんだ。」


エリック「.........」


にいちゃんの事


何故かこれだけはそうと言われてしまうとそれ以上に詮索のしようがなかったように思った


エリック「ボグダンさんが死んだというのを知っているか」


男「そうだったのか?それは初耳だな........」


男は指を十字に切った


エリック「知らなかったのか?」


男「あぁ。そうだが、何か」


知らなかった、だと?


彼から聞いていないのか


ということは、にいちゃんは生きているのだろうか


彼はにいちゃんの葬儀をしたと教員の頭をジャックして言ったのではないだろうか


この男が嘘ついているのか


しかしこの場合はそういう雰囲気ではない


どういう事だ


そういえばにいちゃんは


............


アレク「......何かを考え込んでいるようだね。エリック。君ならその答えが分かる。」


笑顔でそう言われた


そうだ。俺になら分かる


そして、今はその答えを出す時では無さそうな気がした


今問題なのは


この男をどうやって殺人の罪に入れられるかだ


エリックの目が男を静かに睨んでいる


アレク「おおエリック。そこまで分かったんだな。そうか。安心しろ。」


エリック「え?」


アレク「盗聴器だ。最初から全て録音をしている。」


アレクさんは盗聴器を見せた


すると男の顔が青くなっていった


男「それを渡せ」


アレク「いいよ。ほら。やる。」


えっ!?アレクさん、折角の証拠を


アレクさんは男に盗聴器を渡すと男はそれを踏み壊した


..........。


アレク「安心しろ。」


そう言った


アレク「では、俺たちは話が終わった。ここを出る。ではな。」


アレクさんがそう言うので俺たちは出ることにした


男「まあ、がんばってくれよ。」


男の対応はそっけない


部屋を出て、署の受付の近くまで戻った


トドル「アレクさん、折角のあれが。音声証拠が」


アレク「もう一つあるんだ。」


そう言ってもう一つの盗聴器を見せてくれた


何だ、よかったな


アレクさんはそれを受付に説明、署内の人間に聞かせた

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