その9

スザナ「私も何だか興味ある、かな。」


アレク「あぁ。良い国だからいつか行ってみると良い。」


スザナ「あの、アレクさん。」


アレク「どうしたスザナ。」


スザナ「私はアレクさんのお嫁さんにはなれないの....?」


スザナは目をうるうるさせている


アレク「いいや。君は俺の立派なお嫁さんだ。愛人というのは、作り言葉で言ってみただけなんだよ。スザナが一番美人だよ。」


そうしてアレクさんはスザナを抱っこして優しく頭を撫でた


スザナの顔がみるみると落ち着いていく


スザナ「本当?ニホン人の女の人、みんな美人だったんでしょ?私より.....?」


アレク「いいや。スザナが一番美人なんだ、それだから、ニホンにいる時も、セルビアに帰る時もスザナの無事のことを一番に考えていたんだぞ。トドル。お前たちも無事そうで良かった。何よりだ。」


アレクさんはまた優しい笑みを浮かべた


その破壊力にまたタジタジになる


ドラゴス「なあアレクさん!ということはさ、アレクさんってニホン語話せるの?」


アレク「あぁ。そうだよ。」


その瞬間、みんなの目が光った


ドラゴス「うお、気になるなー。また話してみてくれよ。」


アレク「いいだろう。この件が終わったらな。エリック。お前はアイツらの事を全て理解しているか」


エリック「ほぼ全て理解をしていると思います。」


エリック「まず、奴らはとある中枢となる機械から生み出され続けている人工ヒューマノイドです。そして俺たちを狙っているのだと思います。俺たちの資質の保護が目的だと思います。」


エリック「しかし彼らは透明になる事ができる。姿は見えません。しかし奴らは増え続けている。それはガヴロがここに来る時には外には既に溢れかえっていました。それなのにガヴロは捕まりませんでした。」


アレク「なるほど。ガヴロ。君はどうやってここまで来たのだろうか。外には怪物ばかりであることは知っていたよね」


ガヴロ「うん。知っていたよ。それなのに何もいなかったから普通に来れたんだ。」


アレク「そうなのだね。良かったね。そして、その黒色の頭巾、かっこいいね。俺とお揃いだよ。君がかっこよくなっているね。」


ガヴロ「えへへ。アレクさんからかっこいいって言われると嬉しいな....。これ、お外に出ようとしたら、うっかりして黒のカラーリングの中に入っちゃって......」


アレク「なるほど。また新しい色の頭巾をあげるからね。エリック。ここからも考えられることを知っていそうだね。」


エリック「はい。分かっていますね。ガヴロは奴らからしたらそれでアレクさんを想像したのでしょう。その為、ガヴロを襲わなかったのです。」


アレク「そのとうりだ。エリック。俺の顔写真を見せると怯えた反応をしていたのだろう」


エリック「そのとうりです。怯えていました。ということは、奴らはアレクさんを恐れている。」


アレク「そのようだね。ということは、奴らの中枢である機械というのは自然と俺は推測が立ったりする。」


エリック「やはり。何者なのですか?中枢は」


アレク「命を持ったAIだ」


エリック「AI」


何だか物騒な響きだ。それって機械自体が自分で考える事ができることだ。


アレク「そうだ。その中枢が、同じくAIを持った人工ヒューマノイドを生み出している。」


ガヴロ「それって、アレクさんはその機械人間のボスと知っている仲ということなのかな」


アレク「いいや。俺は向こうを知らない。ただ、向こうは俺という黒頭巾の力の恐ろしさを知ってはいると思う。」


ドラゴス「そ、それって、それだからやつらはアレクさんを恐れている」


アレク「そういうことだ。だからガヴロは助かった。それ以前にも恐らくだが、この俺アレクサンダルがお前たちと仲良くしていることも何かで知られたと思う。その影響でお前たちを捕まえにくくなっていたかもしれない。」


エリック「なるほど。じゃあ、透明になっているとか運が良かったというよりは、アレクさんの存在力の影響の可能性の方が強いかな.....。」


アレク「すまないな。」


エリック「いいえ。良いのです。」


アレク「そしてだ。何故、俺がお前たちと仲良くしていることを向こうが知っているのか、だ。それも検討がついていてな。実は、ボグダンが死んだ後に検討がついたんだ。」


トドル「にいちゃんが、死んだ後....?」

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