その8

し、自然.....


みんなは息を呑んだ


じゃあにいちゃんは


スザナ「ボグダンさん死んじゃうの?」


アレク「そうなるのが本来の在り方だ。君達は、この男をどうする。この男は好きか、それとも嫌いか?」


息を呑んだ


トドル「え、えっと、俺は、えっと」


ドラゴス「俺たちを殺そうとしたんだよな....」


頷くみんな


エリック「僕は、この人は好きじゃないかな。ただ、嫌いでもない。過ごした楽しかった時間が大切であるのは確かだ。完全に悪い人ではないはず。助けたい。その人を。」


ガヴロ「ぼくも、その人を助けるかな。好きではないかもしれないけど、悪い人でもなさそうだよね。」


スザナ「私は、助ける。根は悪くない。」


トドル「お、俺も同じかな」


意見が纏まった


アレク「そうか。まとまったか。じゃあこの男を助ける。いいな?」


みんな頷いた


するとアレクさんはにいちゃんの体を抱き上げ、何かをした


するとにいちゃんが目を覚ました


にいちゃん「なあ。何で死なせてくれなかったんだよ。俺、何にもお前達を殺せなかったのに。」


アレク「お前の根が良い人だろうと思うからだよ。みんなもそこを評価しているんだ。よく一緒に遊んだり、色々していたのだろう?」


にいちゃん「あー、そういう理由でか?ま、あんがとよそれなら。だが俺はそこまで良い人じゃないかもしれないぜ」


するとにいちゃんは行成その場でズボン、パンツを下に下げて脱いだ


スザナが、きゃあっ!!と悲鳴を上げた


そしてにいちゃんはその場で屈んで尻にいきんだ


するとその尻から茶色いそれが出てきて下にボトッと落ちた


それをにいちゃんは手に持って、アレクさんと俺達に向かって投げつけてきた


するとアレクさんが不思議な力の何かでそれを防いでくれた


そしてそれを透明の手袋のようなものを力でしてそれを持ち、にいちゃんに投げ返した


するとにいちゃんにヒットをした


「ぐあぁっ!」とにーちゃんの悲鳴が上がる


にいちゃん「よりにもよって、顔面に投げやがって!」


アレク「俺たちにしようとしたんだ。当然の報いだ。」


にいちゃん「クソ。少し口の中に入ってしまった。にが....」


アレク「お前達。彼はこういう感じの者だが、生かしておいて良かったのか?」


トドル「あ、あぁ。俺たちの事を教えてくれた先生たちでもあるしなぁ.....。」


アレク「そうか。君達はやはり良い子達だ。これから帰るとするか。疲れただろう?」


スザナ「お腹空いたの、アレクさん。」


エリック「ええっ?!君、あれを見た後でもそんな気あるの....?」


アレク「フフッ!流石は成長期だな。沢山食って、大きくなれよ。そして俺のお嫁さんになりなさい。」


スザナ「は、はいっ!アレクさま!」


スザナは顔が真っ赤だ。りんごみたいだ。


アレク「ようし。それじゃあ、ボグダン。お前はまずそれを落としてやるからそのあとで乗れ。帰るぞ。」


にいちゃん「あ、あぁ。」


にいちゃんの話によると、ここはにいちゃんの思念が作り出した異界の空間なのだとか。元の世界の次元からは離脱をしているようなんだ。にいちゃんが思念を消せば元の世界に自然と戻るらしい。さっきにいちゃんが死にかけた時、思念のみが残り、世界がそのままであろうと固まりかけてしまって、俺たちはにいちゃんの思念の中に永遠に閉じ込められたままになりそうだったそうだ。にいちゃん的にはそれも狙いだったりしていたみたいで。危ない。


アレク「さて。そろそろ帰るぞ。綺麗になったボグダン。」


にいちゃん「おうよ。あぁ、ちきしょー。」


そのにいちゃんの顔はいつも通りのかるーいにいちゃんそのものだった


思念を解いた


すると景色が急にセルビア国内の何処かに変わった


ドラゴス「うおお!帰ってきたんだな!懐かしいなー、この空気感、文字!」


ガヴロ「確かに。正直言って、さっきは臭かったよね.....。」


トドル「アー オ オウ....。」


ここからみんなは乗り物に乗って、ベオグラード市内へ戻り、家に帰った



ある者は話していた


アレク「ボグダン。お前は改心をする気があるか。」


ボグダン「有る。今回のことは反省をしている。」


アレク「貴方は何故、今のフーズの教師になった。」


ボグダン「簡単だよ。彼らを洗脳したかったからだ。」


アレク「やはりか。俺は最初からお前が信用出来なかった。教師という感じではないからな。」


ボグダン「それが、同じルーム出身に向かって言うことか。」


アレク「あぁ。だからお前をよく知っている。改心をすると良いんだぞ。良いな。」


ボグダン「おうよ。俺からもお詫びの印。これ。」


ウサギの形をしたサブレだった


アレクはそれを取り、口に付け、食べるフリをして、隙を見てボグダンの口の中に素早く入れた


ボグダン「うっ....!」


ボグダンは倒れた


そしてまた死に際にいる彼をアレクは助けた


ボグダン「おっ、おい....!死なせてくれれば良かっただろ....」


アレク「あぁ。好きにしろ。これ以上は手を出さない。お前は、最低だ。」


そうしてアレクはボグダンを放って帰ることにした


ボグダンは翌朝、首吊りで亡くなっていた事を知らされた


死因は自殺で間違いなく確定だった


ボグダン・コスティク 享年22歳だ 葬儀は既に執り行われている


これまでトドル達の教え親として教えていた大人の存在が、急に消えたのだ


そのショックにトドル達は悲しんでいた


---にいちゃん、どうして、急に....---


みんなはそう思っていた


その後で、アレクさんが何かを説明してくれた


---彼は独自の目線からの良さを追求していたんだ。それが叶わないと分かったので自殺をしたんだ。君達を教えていた彼は、実は最初から俺たちを殺すか洗脳するかを考えていた。仮に生きていたとしたら、俺たちが殺されていた可能性が高い。彼の魂の成仏を祈ろう。---


つまり、にいちゃんはどの道生きてちゃいけなかったのかな。あの優しかったにいちゃんは、本物じゃなかったのかな


そう思ったらアレクさんは更に何かを教えてくれた


---しかしだ。これも覚えておけ。世界というのはそもそも一つでは無い。無数に存在する。その中で、理想だと思える世界を手に入れようと思えれば、過去も未来も、何にでもなる。---


......?


アレクさんがその時の最後に教えてくれたこの言葉の意味


何か、とても大切なことを教えてくれているのを肌で感じたけど


よく、分からなかった........


END

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