その7

景色に違和感を感じて、それながらも目的地じゃないのに動き続ける様子を見て疑問に思っていたんだ


トドル(じゃあこれは一体どこへ....?)


アレク(それはな、今走っているこれの位置情報が分かれば大体は分かる筈だぞ。)


トドル(位置情報かあ。参ったなあ。分からないよなあ。何も無いし。)


エリック(俺、有る。これ、見て。)


うわっ!何だこれ


位置情報に出てきたのは、建物も何も無い、一面の森だ


エリック(少し前から違和感を感じてこれを見ていた。おかしい気がする。どうして辺りに建物も何も無いのか。○○工場も何も無い。それどころか、ここは異世界の様な気がしてならない。)


雰囲気的に確かにそうだ


ここはどこだ


不安になってアレクさんを見ると、アレクさんはにいちゃんの方を険しい顔で見ていた


俺もそれに釣られてにいちゃんの方を見ると、にいちゃんが真顔で無言でこちらの方を見ていた


その瞬間、俺は心臓が大きく跳ね上がった


ちなみに、他のみんなはそれに気付いていない。エリックの機械を見ている


にいちゃんは何も言わずに真顔でゆっくり運転席に向き直る


なんとも言えない恐怖だ


ところで、この乗り物はどこへ向かっているのだろうか


まさか本当に異世界ではないだろうな


辺りが全てどこまでも森のみで何も見えない


ここはどこだ


にいちゃん「お前ら〜、もう直ぐで着くぞ。少し交通地帯のゴタゴタで時間が罹ったがもう直ぐだ。準備しておけー。」


にいちゃんが軽い音声でいつもの調子で言った。さっきのあの怖さなんて微塵も無いくらい


トドル「えぇ?もうすぐなの?にいちゃん。だって辺りを見てご覧。このずっと森......」


その瞬間、乗り物は降下した


ヒュンッッ


うわあ!?


その一瞬で乗り物は着地をした


そこには何もなく、丸状に森がなく、地面があるだけの広場のようなところだった


みんなも顔を混乱させている


にいちゃんが乗り物から降りて広場の中央へ向かう。そして広場の真ん中で止まってこちらを見る。にいちゃんはうんともすんとも言わない。真顔でこちらを見ている


そのなんとも言えない雰囲気に何も言えない


するとアレクさんが乗り物から降り、にいちやんに話しかけた


アレク「どういう事だ。ボグダン。全てを説明して貰おうか。」


にいちゃん「簡単だ。お前達を死なす。」


アレク「全く。急に何なんだ。」


にいちゃん「お前達、今のフーズは前のフーズと違って資質が違う。前はみんなが一人一人が纏まって力を発揮していた。今は全く違う。一人一人が力を発揮している。それって何の美徳だよ。」


アレク「それの何がおかしい」


にいちゃん「纏まって力を発揮する事こそが正義だろ。一人一人が個別に力をだなんてばらけるだろうよ。」


アレク「寧ろその方が効率が良いと思うが」


にいちゃん「逆だろ。ばらつきが性格に身に付いてしまう。纏まりがなくなるだろ。」


アレク「そうでも無いぞ。みんなが力を合わせることを学ぶ機会がこれまでにも沢山あったのを知っているだろう。」


にいちゃん「そう、かな。まあ、そうかも。それだと俺の美学に反するんだよ。正義は俺のだよ。」


アレク「全く。自分の事で周りが見えなくなって何が正義だ。」


にいちゃん「お前は同い年だから分かるだろうと思っていたのに。」


アレク「正確には、俺の方が一つ上だ。そして、同年代くらいだからというのは少し意味が違う。大人だから、という事を言いたいのだろうが大人でもお前の考え方は個性が強すぎて分からない。」


するとにいちゃんが少したじろいだ


にいちゃん「そうかなあ。俺が変わってるかな。そうかな。ふうん。まあ、そうか。そうか。うん。じゃあさあ、これ....」


するとにいちゃんは飲み物を懐から出した


にいちゃん「俺が悪かったから、これを飲んでくれ。お前達キッズもこれ飲め。美味いぞ。」


そう言われて顔を俺たちは見合わせた


アレク「それは何だ」


にいちゃん「ミルクココアだよ。アレク、さあ。どうぞ。」


にいちゃんはアレクさんに飲み物を渡す


するとアレクさんは口につけて、飲む.....


フリをしていたみたいで、アレクさんは飲み物を隙を見て、にいちゃんに近づいて無理やり飲ませた


するとにいちゃんは倒れた


アレク「これを飲んだら自然死だ」


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