その6
にいちゃん「今回の依頼はな、割とすぐ近くなんだよな。そこまで強張る必要もないぜ。」
近くか。それ聞くと何だかホッとする。
にいちゃん「すぐそこだよ。○○工場。」
近っ!乗り物で15分もないなあ。
にいちゃん「そこで窃盗が発生した。それを解決しに行くぞ。」
ガヴロ「また盗み....。セキュリティ、最近は良くないのかな。」
にいちゃん「良くなくはないはずなんだけどなあ。何だかここ最近は物騒だね。俺も、何かないかと目を張ってる。今回は、行くぞ。」
ガヴロ「変なことないといいけどなあ。」
アレク「そうだね、ガヴロ。」
ガヴロはアレクさんから頭を撫でられている
スザナ「いいなあ」
アレク「スザナも後で、やってあげるからね。」
アレクさんってやっぱとんでもなさそうな兄ちゃんかな
にいちゃん「あ!アレク、お前はまたそーやって、子供を誑かして洗脳するんだよなあ。」
アレク「人聞きが悪い。これから事を解決なれば、俺が良い人間であることを理解する。」
にいちゃん「既に洗脳してるだろ....。まあいい。行くぞ、みんな。乗り物に乗るんだ。」
みんなはにいちゃんの言葉で乗り物にのる
兄ちゃん「忘れ物はないな?あ、全て俺が持ってるか。じゃあ、行くぞー。」
乗り物が動く
○○工場だ。玩具を作っている工場。小さい。俺ももう少しくらい子供の頃はあそこの工場から作られたおもちゃで遊んでいたりしていたんだ。
それが今では俺もすっかり大人。なんて思うが?間違いないよ。
エリックが機械で何かをやっている。スザナが顔を真っ赤にしてアレクさんを見ている。
着くまで各々が自由だな
運転席のにいちゃん
あれ?
にいちゃん?
ガヴロ「トドルも分かった?」
ガヴロ。
トドル「も、てことは、君も?」
「うん。にいちゃんさ、何か、変だよね」
「やっぱお前もそう思うか。ガヴロ。」
「うん。何だかいつもと異なってる感じ。」
「だよなー。」
ドラゴス「それをにいちゃんに聞こえるようには言うなよ。俺も観察しているところだからな。」
ドラゴスも同じことを思っていたのか
ふと見ると、エリックやスザナ、アレクさんも同じことを思っていそうな表情をしていた
みんなでにいちゃんを静かに睨むが
乗り物は動いて動く
そこで違和感を感じた
だが、敢えて俺は言わないことを選択した
それを伝える為に、俺は人差し指を口元に当てて伝えた
するとみんなも分かってくれた
エリックが触っていた機械を閉じて、口元に人差し指を当てて「静かにしててね」と伝えてきた
エリック「なあ、にいちゃん。あのさあ。」
にいちゃん「おう、何だエリック?今日は何だかキリッとしてるなー。」
「あぁ。腹が減ったんだ。何か、食べるものが欲しいんだよ。すまない。」
にいちゃん「おーそうか。それなら良いものやる。」
にいちゃんは足元からお菓子を出して、エリックに渡した
にいちゃん「大切に食ってくれよー?それ、俺が最近貧乏な中、通行人に願って願ってようやく人から恵んでもらえた大切なビスケットなんだからよ。あぁ、何で俺だって綺麗な筈なのに願ってもなかなかに恵まれ物をくれなかったのだろうな。普通、くれるだろ。「何かお菓子くれたら代わりに何かあげるぜ。」って言っ.....」
(いまだ!エリック!にいちゃんの足元を確認するんだ)
エリックはにいちゃんの足下を見つめて何か無いか確認をした
が、何も無かった
エリック(チッ....。何も無し、か)
エリックは首を横に振った
何も無しとは参ったもんだ
にいちゃんの足下には何も無しか
にいちゃん「んで、考えてみたんだけどよ。俺が願ってもモノをくれないのは、まさか少し洗ってないズボンの.....」
にいちゃんの言葉はあまり聞いてはいない。重要なのはにいちゃんの足下の確認だった
にいちゃんは足下によく何かを隠したりするから
何も収穫がなかった俺たちは貰ったお菓子をみんなで一緒に静かに食べることにした
トドル(でもなあ..... にいちゃんってさあ、元からあんな感じの性格であって、おかしな雰囲気の正体はなんだろうなあ。)
スザナ(なんだか重要なところだけをすごーく固く秘密にしているようなかんじなの。)
トドル(それは分かる。確かになあ。その正体が何だなんだろうなあ。)
アレク(彼の核心の部分だ。だから滅多に表に感情を出すわけにはいかない。)
トドル(あ、なるほど〜。にいちゃんも単なるバカじゃないね。)
アレク(残念だがな。そして、お前達も既に気付いているだろうがこの乗り物はそもそも、○○工場には向かっていない。)
みんなは息を呑んだ
やっぱりそうだったんだ
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