第30話

「ヤッホーそこの可愛い子。私が案内してあげよっか?」


すると転校生らしき美少女はビクッとした。そりゃいきなり話しかければそうなるわ。香りの目は一見親切げな目をしてるがその奥は欲望にまみれているのが見える。さすがに幼馴染みの目は誤魔化せない。


「いえ結構です。なんか怪しいので」


そりゃアイドルからしたらいきなり話しかけてきたら警戒もするよな。だが美少女から話しかけられてるのにまるでお伽話しかけてきたかのような警戒は珍しい。もしかして香織の危険性に気付いている?


「そんなことないよー。同姓なんだからそんな危なくないでしょ」


いや危ないだろ香織なら特に。まぁここでレズは発揮しないだろうから大丈夫かもしれないが。だが目の奥が下心を隠せていない。幼馴染みだからそれはバレバレだ。


「何かナンパする人の雰囲気を漂わせてるのが、危ない感じがします」


「そんなことないよ。私は学校を案内して、仲良くなって一緒にプリクラとか撮ったり、ショッピングに行きたいだけだよ。それに好きな人は他にいるし」


「そこの男の人一緒だったらいいですよ」


男を連れないとダメって相当警戒してるだろ。るんって観察眼あるんだな。香織の変態さを初対面で破るって今まで一人もいなかったぞ。アイドルだから目的あって近づいてくる奴がたくさんいたから分かったのか?


「徹も大丈夫だって。こんな可愛い子奈良尾とこならほおっておいたらその辺の男にナンパされそうだから心配だから着いていくってよ。優しいよね」


「いや俺そんなこと一言も言ってないんだが。まぁ着いていくが」


ナンパはされるだろうし。心配だからな。チャラい男に絡まれたりするのが。香織なら冷徹な反応をして言葉で撃退しそうだが。香織は普段仮面を被っているが、ナンパだけには冷徹な部分が出るんだよな。まぁそれも仮面なんだけども。結局本性は変態って感じだ。


「さすが徹それじゃレッツゴー」


「今は朝だぞ。放課後にしろよ」


「おっと興奮しすぎて忘れてたよ」


さりげなく本性出てたぞ。るんは怪しげな表情をしてたし。もうちょいちゃんと隠しておけよ。レズなんてばれたら離れていくぞ。そいうスキャンダルには敏感だからな。まぁ美少女同士だし問題ないむしろもっとやれと妄想する奴も一定数いるだろうが。相手が男よりましという感じだろう。


「それじゃ俺達は行くが、君は一年生か?」


「そうです。てことは上級生なんですね」


「まぁそうだな。ほら香織行くぞ」

 

「それじゃ放課後ね」


俺達はこの場を離れた。すると香織は意味深な笑顔を浮かべた。あ、これはるんターゲットになったな。


「ねぇーあの子ってるんちゃんだよね?ヤバめっちゃ可愛かったよ。それにレズだしてもいやがらなそうだし。本性だそうかな?あの白い透明感のある肌にすりすりしたいよぉー」


気づいていたのかよ。それであの対応って炎上するきか?後本性はやめろ。警戒心が上がるだけだぞ。確かに誰かに言いふらしたりはしなさそうだが。


「本性は出すなよ。アイドルにセクハラとか笑えないぞ。ファンが何をするか分からないからな」


「大丈夫だよぉー。私って美少女だからね。むしろファンからしたらもっと絡めって感じじゃない?」


「一部だけだろそんな性癖持っているのは」


レズだとばれた瞬間に叩かれるぞ。自分で美少女とか言うな。本当のことだが。確かに美少女同士の絡みは悪くないが。それがレズと推しだとなると話が変わってくる。それに出きるだけ香織にはイチャイチャしてほしくないんだ。


「もしかして嫉妬してる?大丈夫だよ男の中では徹が一番好きだから」


それ男女関係なく好きだったら嬉しかったんだけどね。まぁ香織の一番は美少女だからな。そこを無理矢理変えるつもりはない。レズでも好きになってもらうだけだ。


「まぁ他の男じゃなくて、良かったわ」


俺達は靴を上履きに履き替えて、教室に入った。視線が香織に集中する。それ香織は笑顔で挨拶をする。俺か?俺はこっそり離れてその様子を見てるんだよ。


リア充の群れにぼっちは厳しいからな。ああ、香織達がキラキラして見える。ぼっちには縁どおいものだな。まぁ入りたいと思わないけど。だってあんなところに入ったら浄化される。


そんなことしてると朝礼のチャイムが鳴り、他のリア充も席に座った。この辺は進学校だから区別をしている。そして先生が入ってきて、不審者がでたことを伝えた。巻き込まれないといいが。この前巻き込まれたからなぁー。可能性としてはゼロじゃない。


そうして朝礼が終わり、1限目の授業が始まり、数学だったので俺は寝てた。そしたら不思議と4限目の終わりまで寝ていたのだった。誰か起こしてくれよ。ぼっちだから気づいても起こさないか。成績だけが下がったな。まぁテストで挽回すればいいか。数学に関しては諦めているが。


そして昼になっていつもの場所に向かおうとしたら香織に話しかけられた。


「今日は私と一緒に食べよう。徹がいっつも食べてる場所で」


「いいけど、友達はいいのか?」


「今日は断ったよ。たまには徹と食べたいからね」


助けたことで好感度でも上がったのだろうか?まぁレズだから上がっても女子が第一優先なのに変わりないだろうがな。それでも一緒に食べれるのは嬉しい。俺達は購買に昼食を買いに行った。ここで香織の手作りだったら最高だったんだが、今日は購買で買おうと決めてたらしく、焼きそばパンとあんパンを買っていた。俺はチョココロネと焼きそばパンだ。そしていつもの中庭に移動した。







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