第27話

久しぶりの夢無との会話は楽しかった。巫女姿だとよく写真に撮らせてほしいとか、それを聞きつけた雑誌の編集者が写真を撮って、読者モデルみたいなことをしたり興味深かった。やっぱりツウィターは編集者も見てるんだな。だが変なやつに絡まれないか心配ではある。夢無目当ての参拝者とか来るしな。そうなったら俺が古武術でねじ伏せるが。一般人にはなにかない限り呪術は使っちゃダメと陰陽法に書かれているからな。


「お兄ちゃん駅に着いたよ」


「ああ、それじゃ帰るか」


俺達は駅を出ると、家に向かう。こうして二人きりで帰路につくのは久々だな。大体香織がいるし。隙あれば胸を揉もうとしてるが。明子はそれを華麗に避けて逆にヘットロックを咬ましている。まぁ動きは察知できるからな。霊気の動きで。


「お兄ちゃん本当によかったの?私がいて。香織先輩にバレる可能性も高まるでしょ」


「さすがに千葉の下のほうでは会わないだろう。まぁもしバレたらそのとき考える」


バレたら面倒なのは確かだが。美少女を隠していたなんてとか言ってな。胸もそれなりにある。まぁ初対面だからあの変態さは出さないだろうが。


「分かったよ。せいぜいバレないように変装でもしようかな」


多分それでも会ったらバレるがな。あいつの人を見つける目は確かだし。俺がカツラをかぶっておしゃれしてもバレる自信がある。まぁ夢無に手は出してこないから大丈夫だろう。せいぜい俺が嫉妬をされるくらいだ。そのくらいなら問題ない。


「家着いたな。それじゃ俺は勉強してくるわ」


俺は勉強するために部屋に向かった。フランス語でもやるか。単語帳を一応何周かしたが完全には覚えきれてない。俺は香織みたいな天才ではなく努力型だからな。勉強は何回も復習をする。そうじゃないと覚えられないからな。記憶能力が普通でも何周もすれば覚えられる。


それから単語を何周かすると、単語を大体覚えたのでそこでやめた。これで明日のテストは大丈夫だろう。進学校だから1日100単語くらいテストやるんだよな。


「お兄ちゃんそろそろサイゼ行こ」


「もうそんな時間か、やっぱり俺は記憶能力あまり高くないんだな」


分かってはいたが、やっぱり少し残念だ。記憶力が上がる方法でも調べるか。同じ悩みも抱えている人は多いはずだし、科学的に上がる方法も知っている人が発信してるだろう。常に人間は進化をするしな。


「お兄ちゃんはでも努力家でしょ。天才よりも挫けず努力してる方がすごいよ」


そ言うこと言ってもらえると、もっと頑張ろうと思える。何としてでも東大に受かってみせる。そうすれば香織と再び学園生活を送れる。香織が東大受験をするのは余計な男が来ないのと、女子高出身が多いからレズも多いんじゃないかという不純な動機だ。


「ありがとう。努力は報われることを証明してみるわ」 


俺の将来の夢は教師だ。だから努力することの大切さと悲観する前に挑戦した方が良いということを伝えたい。そしてコネを作って生徒の夢を後押しできるようにしたい。


「頑張ってね。ごはん食べに行こ」


「そうだな、サイゼに行くか」


俺達は家のをでてサイゼに徒歩で向かった。この時間は学生が多いんだよなぁー。ナンパされなきゃいいが。人間は集団になると気が大きくなるからな。つまり誰が隣にいようがナンパしてくるのだ。


現に視線がこっちに集まる。まぁ俺が霊圧を周りに振り撒いているから誰も近づいてこないが。まぁ陰陽師とか強い妖力を持った妖怪ぐらいしかこれを跳ね返せるのはいない。覇王色の覇気みたいなものだしな。気絶はしないが。それてもプレッシャーはハンパないはずた。


「お兄ちゃん着いたから、それしまって」


「分かったよ。サイゼでこれを出すのは礼儀違反だからな」


サイゼは美味しく食べる場所だからだ。霊圧を放って皆が美味しく食べれなかったらサイゼリストとしての名が廃る。俺は霊圧を元に戻してサイゼに入った。今日はどんなのを頼もうか。


「何名様ですか?」


「2名です」


「それじゃこちらのテーブル席にどうぞ」


店員さんと明子がやり取りをし終わって、指示された席に座る。幕張なだけあって渋幕生がたくさんいる。たからそのなかでも有名な明子をチラチラ見ている。だが霊圧はださない。


「どれにしようかなぁー」


明子は視線を感じようがお構いなしである。まぁ視線に慣れすぎたのだろうな。俺も香織達と一緒にいると視線をよく感じるから大分慣れたが、気にならないレベルではない。一人の時だと全然感じないし。なかには呪詛をはくやつもいるが、それは跳ね返している。


「俺はミラノ風ドリアとペペロンチーノとドリンクバーにする」


「私はハンバーグステーキとドリンクバーにしよう」


俺達はそれぞれの番号を書いた。ちなみに俺は暗記してるから番号は見なくても書ける。サイゼリストとして当たり前だ。そして互いの番号を書き終わり店員さんを呼んで紙を渡した。


店員さんは今日はこの料理の気分なんだというかおをしている。俺はサイゼの常連だからかおを覚えられてるからだろう。10個ぐらいの料理をそのとき食べたいもので選んでいる。


店員さんが去ると、俺達はドリンクバーを取りに行った。一人だけ残すとナンパされる可能性があるからな。前されてることがあったし。それだけの美少女だからな。俺は千葉限定のマッカンをコップにいれた。千葉限定という特別感がいいよな。そして席に戻ると、俺達は雑談をした。



 


















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