第26話
フゥーと息を吐き俺座禅をして、霊気を落ち着かせる。そしてコントロール下に置き中庭にでた。そこには強者のオーラを出している叔父さんがいた。相変わらず威圧感がすごいな。
「準備できたみたいだな。これが不動金縛りの呪術書だ」
そう言って一冊の古い呪術書を渡される。俺はそれを軽く読んだ。そんなに複雑じゃないんだな。これならすぐにできそうだ。素人ならすぐに縛れるだろう。まぁ叔父さんは厳しそうだが。
「よし始めるか。来い縛ってみろ」
俺は呪詛を唱え印をして不動金縛りをする。だがそれは叔父さんの霊圧で跳ね返された。縛りが甘いか。それなら乱すために足元に水を出すか。呪文を唱えて呪符を叔父さんの足元に投げた。しかし叔父さんは乱れることなく雷の呪術を四方に唱えて俺の動きを封じた。俺はすぐさま霊圧で呪術を吹き飛ばしたが、それを読んでいるかの如く接近をしていた。そして不動金縛り呪術を使われ身動きがとれなくなった。縛りが強すぎる。さすが千葉神社の神官だ。
「参りました」
「水を出すまではよかったが、あの程度の霊力じゃ上級者だと簡単に吹き飛ばせるぞ」
出し惜しみはしちゃダメってことか。一般の陰陽師より俺は霊力が高いから一気に決着をつける手段がよさそうだな。不動金縛りはまだうまく霊力を練れないが。練習すればなれるだろう。
「分かりました。ありがとうございます」
「お兄様修行は終わったみたいですね」
「ああ、巫女としてどうだ。俺にはまだ伸び代がありそうか?」
「霊力は高いですし、呪術に綻びを防げばだ上級の幽霊や妖怪は倒せますよ」
ちなみに俺より夢無のほうが陰陽師としては上だ。100年に一人の逸材って言われてる。お見合いをもしてるらしいしな。まぁその美貌ですぐに相手を落とすが、断ってるらしいがな。好きな相手でもいるのかね。兄貴分として応援するぞ。
「そうか、それでマッカンを持ってきてくれたのか」
「はい、疲れた時はこれが一番ですから。ぎんぎんに冷えてますよ」
さすが夢無俺の飲みたいタイミングが分かってらっしゃる。俺はマッカンを受け取ると、ぐびぐびと飲む。この喉に絡むような甘さが堪らない。疲れた時に飲むのはやっぱマッカンだよね。千葉の水だから千葉県民にとっちゃ当たり前だよ。
「ありがとな。最近学校どうだ?」
「相変わらず告白をされますね。好きな人がいるって言っているんですが。あ、そうだお兄様私の彼氏役として、学校に来てくれませんか?」
「それいいのか。俺みたいの彼氏だと思われて、イケメンに話つけておくからそいつしたらどうだ?」
「お兄様が彼氏じゃなきゃ嫌です。嘘でも知らない人は無理です」
そうはいってもなぁー。もしか香織に見つかったら彼女がいるって思われるてアピールしにくくなるんだが。だが知らないやつを送るのは夢無からしたら不安だろう。ただてさえ美少女なのにその相手が惚れたら意味がないからな。
「それなら変装させてもらう。それが承諾できるならいいが」
ばれない程度の変装はできなくはないからな。メガネかけてカツラを被ってそれをオールバックにすればな。そうすれば少しはイケメンになるし。明子ぐらいだろうばれるの。バレても特に問題はない。
「大丈夫です。折角ですし遠出しましょう。千葉の下の方とかどうですか」
千葉県民として、千葉を支える産業の現状を知るのは千葉県民としての常識か。千葉県民は東京都民に負けないことを証明しなきゃいけない。チバラキ県民と馬鹿にされてはいけないのだ。千葉県民は独立してもやっていけることをみせなきゃな。
「いいぞ、詳しいことはラインしながら決めるか。後、明子こっちを見てるのバレバレだぞ。明子も行くか?」
「いいの?二人きりのお出掛けなのに」
「私はいいですよ。最近のお兄様のこととか知りたいですし。、、、、宣戦布告もしなきゃいけないですし。まぁバレてるぽいですが」
「付き合ってる訳じゃないんだから問題ないだろう」
「これだから馬兄ちゃんは」
「こら人を馬鹿みたいに言うな。これでも成績はいいんだぞ。特に国語がな」
渋谷学園幕張で成績がいいんだぞ。つまり東大レベルってことだ。それがバカはないだろ。フランス語もそれなりにいいし。英語は無理だが。
「そいうことじゃないんだけど。まぁお兄ちゃんなら仕方ないか」
「何だよそのダメなやつに言う言葉は」
「お兄様は鈍いですからね。仕方ないです」
夢無まで酷いぞ。俺そんなに鈍感に見える?夢無が好きな人は近くにいるって言っていたが、未だに分からないから鈍感だと思われているのか?まぁそのうち気づくはずだ。
「それじゃー明子も参加ってことで。香織にバレなきゃいいが、バレると美少女をまた侍らせてズルいといいそうだしな」
「それフラグじゃない?」
さすがにこの辺じゃない場所で見つかる可能性は高くないだろう。千葉県は広いんだぞ。見つかったらどんだけ世間は狭いんだってなるわ。それから世間話をして俺達は千葉神社を後にした。
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