第25話
巫女である夢無を見ていると、視線に気づいたのか、微笑みながらこっちに来た。相変わらずの上品さだな。仕草が品があって美しい。歴史ある神社の巫女にふさわしいな。
「お兄様いらしてくれたのですね」
「近くまで来たからな。お土産は用意してないが」
「お兄様が来てくれるだけで嬉しいんです。さぁ家でお茶でもいれましょう。明子さんもご一緒に」
「それじゃ遠慮なく達よらせてもらうわ。夢無前来たときよりもさらに可愛くなったな。これ以上可愛くなるとアイドル事務所がほっとかないんじゃないか」
「まぁ可愛いだなんて照れます。東京に出るとスカウトされる人数は増えましたね」
腰をくねくねさせながら言った。そんなに嬉しいかね。可愛いだなんて言われなれてると思うんだが。まぁ拒絶されるよりはいいが。彼氏は作らないのだろうか。
俺達は家に行く前に神社でお参りをした。その時神様に話しかけられたが、いて付き合うんだと言われたから好きな人がいるから無理ですと言った。すると神様は好きな人がいるなら仕方がない、奪い返すのを待っているかと意味不明なことを言っていた。
ちなみに神様と話すときは念話である。そして家にはいると、和風の建物が見える。文化遺産候補にもなっているくらいだ。
「お邪魔します。前より結界が頑丈になってないか?」
より強力な結界を張っている。結界が強まっているってことはなにかが侵入したのか?千葉神社は侵入するやつが少ないから前は結界ゆるゆるだったんだが。
「妖怪が侵入してきて私を拐おうとしたんです。撃退しましたけど。それから結界を再度強く張ったんです」
恐らく夢無に一目惚れでもしたんだろう。人間にも妖怪にもモテるからな。だが夢無の実力は高いからその辺の妖怪じゃかまけることはない。
「そうか、なにもなくて何よりだ」
強い妖怪だと、さすがに夢無でもきついからな。この結界を打ち破るやつがいたらヤバイだろう。だが妖怪はあまり神社には近づかない。強ければ強いほどな。神域に恐れがあるからだ。神様を怒らせたら一族が滅ぶからな。安易に近づかないのだろう。
「妖怪って言っても弱かったですから、よく私を拐おうと思ったレベルです」
「結界がこれだけ強ければ弱いやつは入れないだろう」
人間は普通にはいれるぞ。あくまで妖怪や幽霊専用の結界だからな。人間用の結界もあったりする。人間がなかに入れなくなるような結界だ。後は外にでれなかったり。
「はい、これでひと安心です。今お茶を持って来ますね」
そう言って台所に行った。夢無の奥さんになる人は幸せ者だな。こんなに色々できる女子はいないぞ。まぁ俺は香織が好きだから関係ないが。
やがて、お茶を夢無は持ってくると俺の正面に座った。いい香りが漂ってくる。これはいい茶葉を使ってるな。さすが歴史ある神社の巫女品があるな。俺は一口飲む。苦味がそんなになく美味しい。
「これ京都の宇治で取れた茶葉なんですよ。どうですか?」
「美味しいぞ。さすが夢無のお茶だな」
京都のお茶は結構好きだったりする。苦味があまりないからな。宇治抹茶とか好物だ。特にホットの宇治抹茶ラテとか最高でいつもカフェに行くと頼んでいる。アイスも食べるしな。
「ありがとうございます。なによりお兄様に誉められるのが嬉しいです」
「私もお茶を勉強しようかなぁー」
「そしたら毎日美味しいお茶を飲めるな」
茶葉は俺が買えばいいし。それもありか。まぁ本気で勉強したくなったら買っておこう。
「むぅーお茶は私の特権ですよ。そう簡単に渡しません」
ほほを膨らませながら言った。あざといが可愛いな。それに品も加わりひとつの仕草が完成されている。これが天使で、人間を超越した存在か。いくらでも貢いじゃいそうだ。
「それなら仕方ないね。でもお兄ちゃんは渡さないよ」
どっちの兄か競っているのか?俺はどっちも妹のように思っているが。イケメンでお金持ち以外には渡したくないくらいに大切に思っている。
「私だって渡すつもりはありません」
何か火花を散らしているんだが。俺は香織のものだ。あとお茶はできれば上達してほしいがな。美味しいお茶は毎日飲みたいし。宇治抹茶ラテとか入れてほしい。
「それで今日はどのようなご用件で?」
「いや近くに来たから久しぶりに寄るかってなってな」
陰陽道の本も莫大な量があって飽きないし。今は相手を縛る術式を学びたい。これができれば相手に気づけば攻撃されることないし。人質も助けられる。
「そうでしたか、それで呪術書を見るんですよね。私たちはここて少し雑談をしています」
「分かったそれじゃ行ってくるわ」
俺は書斎に向かった。叔父さんは今日はいるのだろうか?いるなら少し教えてもらいたいな。もっと術の練渡を上げたい。陰陽師として叔父さんはかなりのレベルだ。千葉神社の神官なだけはある。教えをこいている陰陽師も結構いる。断ってるらしいが、理由は分からない。多分忙しいからだろう。
「お、徹じゃないか。久しぶりだな」
「叔父さん、久しぶりです。ちょっと呪術を見てもらいませんか?」
「いいだろう。どのくらい成長したのか見るか。新しい呪術も学びに来たんだろう」
よく分かったな。レベルか上がると霊気で大まかな考えてることが分かるらしい。それで読んだのだろう。そこまでのレベルまではいきたいな。
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