第12話
やがてゲーセンに着くと、瑞己はキーホルダーをみていた。八幡か。いろはもあるな。俺もほしいし、取ってみるか。あの感じだと大量に取れそうだしな。
「ほしいか瑞己、八幡のキーホルダー」
「よく分かりましたね。少ししか見てないのに」
「周りはよくみるからな」
そう、周りをよくみすぎてなにか困っていることがあったら助けてたりしたのに、頼んでないんだけどむしろイケメンに助けてもらいたかったと言われたこともあるがな。羽田許さんからな。俺だって前髪を切ればそれなりになるんだぞ。
「それじゃお願いします。ユーホキャッチャーは得意なんですか?」
「まぁ大きいものじゃなければ取れるな。フィギアとかは無理だ」
何回か挑戦したが、全然取れなかったバランスを崩すし、あれは角度とか周りの空間把握能力が必要だと思ったから早々に諦めた。俺にはそれはないしな。
「お金は私が出しますよ」
「いや俺が出すぞ。後輩にお金を出させるとかプライドがな」
それにすぐに取れるだろうし。たいしてお金はかからない。俺はユーホキャッチャーの前にたつと、横からどれが取れそうか確認して、100円玉を入れた。そしてカプセルに入ったキーホルダを出口に近づけて、最終的につかみ取った。そしてついでにいろはのも取った。
「ありがとうございます徹先輩」
「これくらいお安いご用だ。何百円か使ったからちょっと千円札を100円玉に変えてくるからちょっと待っていてくれ」
さすがにこの短時間でナンパはされないだろう。いくらオタクを狙ったナンパするやつがいたとしても。そう思い千円札を小銭に変えに行った。
そして変えて戻ってくると、知らない男が瑞己と話していた。早速フラグ回収しちゃったよ。ナンパされてるし。相手はナンパ師じゃなくてオタクか。オタクだと思ってチャンスと思って話しかけているのだろう。彼氏の振りでもすれば離れるだろう。
「待たせたな瑞己。俺の彼女になにかようですか?」
「そんな彼氏より僕のほうがいいよ。アニメに対する知識もあるし、お金だって僕の家はお金持ちだからあるし。一緒に俺の青春ラブコメについて話そうよ」
しつこいタイプか面倒だな。俺がイケメンだでたらリア充めとか言って離れていくが。俺もオタクと変わらんしな。どうするか。
「私はそんな知識やお金には興味ないんでどっかいてもらえますか?」
「ええい来ればいいんだよ。僕と気持ちいいことをするんだから」
そう言って男は無理矢理引っ張った。すると瑞己が怯えの表情を浮かべる。無理矢理連れて来ようとするのはナンパとしてゼロ点だ。俺は男の腕をつかんで、瑞己の手と離させる。
「なんだよ邪魔をするなよ。君はそこで僕に奪われるのをまって、、、、ヒッ」
なぜ悲鳴を上げたかって、それは霊圧を上げて、ワンピースみたいな覇王色を使ってるみたいな感じになっているからだ。びびって腰を抜かしてるし。一応陰陽師の家系だからこれができる。
「もう一度言う俺の彼女にナンパするな」
「はぃぃぃ」
そう言って男は去っていた。俺は瑞己のほうをみると、瑞己はぽけーと俺のことを見つめていた。ほほも赤くなっている。
「カッコよかったです。俺の彼女に手を出すな(キリ)はもうたまりませんでした。正直愛液がでました」
「おい常識人枠の瑞己が下ネタ言うなよ」
「はっつい。でもそれくらいカッコよかったんてす。俺の彼女のなんて言ってもらえるなんて思わなかったので嬉しかったですし。うへへ」
頼むか香織のような変態になるなよ。変態がこれ以上増えるのは手に余る。まぁ恐らくこうなったのも香織の影響だろうが。そうだと香織に知られればもっと変態的な行動を取ってそれを受容させようとするだろう。
「まぁいいやプリクラ撮りに行くぞ」
「そうですね、カップルモードでやりますか」
「いや俺と瑞己付き合ってないだろう。それに香織に知られたらめんどくさくなる」
明子という可愛い妹がいるのに瑞己とプリクラを取るなんて何事だーとな。それにずるいよ私も胸を揉んでいるプリクラがほしいのにとか言ってきそうだな。
「大丈夫ですよ。別に携帯に貼らないで家に保管しておくので」
「それならいいが。着いたな」
これがリア充御用達のプリクラか。小学生以来だな。あのときはリア充のことをよく分かっていなかったからなにも思わなかったが、今はリア充を知ってるからいかに青春って言葉でやっちゃいけないこともそれで片付けているのかが分かる。
リア充なら大人わそれを受容して、ぼっちがやると怒るんだから社会は理不尽である。そんなことを考えていると、瑞己がプリクラに入ったので俺も入った。
中は女子特有の石鹸の香織がする。なんで女子ってこんなに男と匂いが違うんだ?やっぱホルモンの違いなのか。カップルモードみたいだ。これってどこまでやらされるんだ?口にキスとかは無理だぞ。香織か好きなのにそんな裏切りみたいなことはできない。余り派手なことはやらないように祈ろう。
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