第11話

かたやがて6限まで終わった。数学は地獄的だった。寝ていたら答えられるんだろうなと言われて、当てられて、答えられなくて、分からないならちゃんと授業聞けよと言われた。そして男は嘲笑うかのように笑っていた。まぁ主に香織に好意を持ってる連中だが。この数学の先生も好意を持ってるから厄介だ。つまりは時をさらすために当ててきたってことなんだよなぁー。


まぁそんなのは慣れっこだから無視だが。香織の本性を知ればどうなることやら。まあ別に人に好かれようと思ってないし別にいいいんだがろうがな。アンチの対応がめんどくさいからこの性格でいっているんだろう。


告白にはうんざりしてるだろうが。それを顔におくびにも出さないから凄いよな。レズからしたら男なんてそこら辺の石と変わらんしな。しかも香織は美少女好き。ルックスと性格で好きになったいるからな。いやどっちかというとルックスの面のほうが強いが。


長々と話したが、帰るか。今日は瑞己の希望で二人で帰ることになっている。香織には内緒でだが。まぁ香織がいるとセクハラされるからな。


俺は素早く用意を終えて、校門で目立たないように待っていた。目立つと香織にばれて、なんで誘わなかったのよと言われるからな。だが瑞己が俺と帰りたがる理由は分からん。せいぜいいじめを防いだくらいだ。特別なことはなにもしていない。まぁ好きなんてことはないだろう。


そんなことを考えていると、瑞己がキョロキョロしながら校門に来た。


「こっちだぞ瑞己」


すると瑞己はパート花が咲いたような笑みを浮かべこちらに近づいてきた。ちょっとドキッとしたわ。俺じゃなかったら告白して振られるレベル。いや振られちゃうのかよ。


「お待たせしました」


「いやついさっき来たところだから大丈夫だぞ。それで二人きりで下校ってなにかやりたいことがあるのか?」


「プリクラを撮りたいんです。香織先輩と一緒だとセクハラをされるのでできないので」


まぁ香織はどさくさに紛れて胸をもんで撮りそうだしな。キスもほほぐらいならしそうだし。ていうか何回かしてたし。とりあえずスキンシップが変態な男って感じなんだよな。女子同士だからまだ許されるが、異性だったら捕まるレベル。


「それで俺と撮ってもいいことあるか?」


それが疑問である。俺とのツーショットなんてどこに需要があるんだよ。むしろ黒歴史にならないか?あんなやつと二人きりのプリクラなんて恥ずかしいわ的な。


「そりゃありますよ。私徹先輩のこと好きですし」


え?突然の告白をされたんだが、ほほを赤く染めながら。俺のこと好きだと!まさかこんな美少女から告白されるなんて。だが俺の好きな人は香織だ。その告白は受け取れない。


「徹先輩が香織先輩を好きなのは知ってるので今は答えはいりません。単純に気持ちを知ってもらいたかっただけなので」


「そうか、それなら答えは言わない」


そういうとひまわりのように微笑みはいと言った。その笑顔に少し心臓がキュンとした。これがキュンかり普段変態な言動の香織がいたからあまりこんな感じにはなってなかった。


「それでこの辺だと、海浜幕張のほうのイオンか」


「そうですね。あそこからそこそこ揃っているでしょうし」


プリクラかー久々だな。香織とよく昔は撮っていた。香織がレズになる前だ。やたらとスキンシップが激しくて俺のこと好きなんじゃねと勘違いをして告白しそうになったな。その後レズになってやっぱりそれはないかとなった。


「そろそろ移動するか」


あまり校門にいると、瑞己ファンに襲われる。

まぁ穏便派が多いからそこまでひどいことにはならないが。二股疑惑かけられるのは心外だからな。香織と付き合っているという噂が流れている限り、誰かと噂になるのは不味い。


「そうですね。プリクラ楽しみです」


確かプリクラにはいろんなモードがあった気がするが、どのモードにするんだ?無惨に友だちモードか。まぁなんでもいいが。そんな過激なことはしないだろうし。


俺達は海浜幕張駅の近くのイオンに向かった。瑞己はるんるんとした表情である。そんなに俺と撮るのが楽しいかね。変顔とかイケメンスマイルとかできないぞ。香織がいてもセクハラしないかみなきゃいけないし、結局笑顔できないのかよ。


「これってデートですよね。放課後デート憧れてたんですよ」


え?普通に放課後の寄り道じゃないの?でも片方が好きならそれはデートになるのか。俺も香織と二人きりだとデートだと思っているし。ふむデートか、まさか香織以外とデートする日が来るとは。まぁ香織の場合はデートっていうより、どんな女子が好きかを語ってきて、瑞己のことについて話して変態発言をするくらいだから、デート呼べるかなぞだが。


「まぁ瑞己がそう思うならそうじゃないか」


「今日で少しでも意識してもらえるように頑張ります」


「俺はそんな簡単に香織は諦めないぞ。それだけお想いの強さはあるからな」


「まぁまだ付き合ってないならチャンスはあるので」

  

そんな簡単に心変わりしてたら今ごろ別のやつを好きになっているぞ。妹とか。香織の次に大事だし。香織はぶっちぎりのナンバーワンだ。俺が幸せにしたいというレベルだ。


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