第10話
4限が終わり今はお昼ごはんの時間になったんだが、香織は他の人と食べていて、俺には食べる人がいない。いつもは香織とか食べているんだがいつも一緒に食べると付き合っていると会う噂が信憑性をマスカラ食べない日もあるのだ。にしても楽しく上品な笑顔を見せている香織をみるとよく隠せてるなぁーと思う。今までの付き合った人もばらさずにいるんだから凄いよな。
さて俺はどうするか。購買にでも行って適当に1人で食べるかね。たまには1人もいいか。そんなことを考えながら財布と小説をもって教室をでた。購買は思ったより混んでなくすぐに買えた。
場所は屋上にするか、あそこで食べる人はあんまりいないし。うるさいリア充どもは教室か、中庭で食べてるからな。屋上みたいな暑い場所では食べない。
俺は屋上に移動して食べ始めて数分たつと、朝みた美少女がいた。あのレベルなら人が近寄ってくると思うんだが1人なのか。まぁそれでも距離を開ければ関係ないが。
焼きそばパンって人気があるなだけあってそこそこ美味しいな。すると転校生がこちらに近づいてきた。
「あなたそれ焼きそばパンよね。半分もらえないかしら?その代わりジュースをおごるわ」
知らない人の食べてるものを食べようとするなよ。まぁ間接キスにはならないが。後ろの食べてないほうをあげればいいし。だが近い。目と鼻の先なんだが。これ香織だったらそのままキスをして食べてるな。そんなに焼きそばパンかほしいのか?
「いいぞ、はいよこれ半分だ」
「ありがとうございますわ」
すると子動物のように食べ始めた。可愛いな。香織がみたら鼻血を出すレベル。それにしても結構美少女だな。睫毛が長く目は大きい。そしてどこかのお嬢様みたいに黒い長い髪が綺麗に整っている。
「うーんおいしいですわね」
そんな幸せそうに食べるなよ。うっかり惚れちゃうだろ。俺は香織が好きなんだ。他の女子の現を抜かしてる訳にはいかない。どんなに可愛かろうとだ。香織だったらそんなの関係ないぞとか言ってそうだが。
やがて食べ終わり、俺はボーとしていると、転校生が話しかけてきた。
「ねぇあなた友達はいないのかしら?1人で食べてるってことは」
「いや1人いるぞ幼馴染みだが」
あとは後輩だな。香織関係で知り合いはそれなりにいるが。大体が香織目当てだからすぐに疎遠になっていたが。俺には興味を微塵も示さなかったな。なんか思い出したら泣きそう。
「負けたわ。私今までいじめられてたから友達はいないのよ。ほら私って可愛いから女子からの嫉妬されるのよ」
自分でいうかそれ。雪ノ下かよ。まぁ可愛いのは否定せんが。これで読書でもしてれば絵になるんだろう。まぁ香織には叶わないが。第三者からみれば五分五分だろうな。俺は好きな人補正がかかっているからな。
「それでぼっちの貴女がなんで俺に焼きそばパンをねだったんだよ」
「今日は焼きそばパンの気分だったのに売りきれてたからよ」
気分で食べたくなるのは分かるが、人にねだるほどか?しかも話したことない人に。こだわりが強いのか。コミ力高いな。まぁ周りからいじめられてただけでコミ力は悪くないんだろうが。
「それになぜか貴方とは友達になれる気がしたのよ」
ぼっちは引かれ会うってことか。俺もほぼぼっちみたいなものだし。まぁ明子が知ったら何がなんんでも防ごうとするだろうが。香織が知ったらアプローチをかけそうだな。変態的な。スタイルはいいし、香織好みだ。
「それじゃなるか友達。俺も友だとと呼べる人が少なくてな、ちょっと嬉しいんだよ」
「そうなのね。私も転校したばっかだから友達ができて嬉しいわ。それでこれからここで一緒に食べないかしら?」
「いいぞ、週4日くらいだが」
週二日しか香織とは食べてない。あと瑞己は俺と一緒に食べてると香織が乱入してくるから食べてない。一目のつかないところで食べて変態さをさらけ出すからな。
「結構空いてるのね」
「まぁな、食べてるやつが幼馴染みで噂に信憑性を持たせないためだ」
帰るときは香織と瑞己と一緒に帰ることが多いが。三人だから変態度を爆発させるのをやめてほしいがな。どうやったらあんな仮面をつけて変態さを誤魔化せるんだか。
「それなら空いてる日は連絡をくれないかしら?連絡先を教えてほしいわ」
「いいぞQRコードだ」
それを読み取ると嬉しそうに近衛は微笑んだ。なんで名前を知ってるかって?ラインの名前をみたんだよ。下の名前で呼ぶのはもうちょい仲良くなってからでいいだろう。
「ふふ、私に友達ができたわ」
「嫌がらせをされたら言えよ。どうにかするから」
まぁ八幡みたいな自己犠牲はできないが。悲しむやつがいるからな。それに悪意を大量に受けるほど俺は強くない。せいぜい嫉妬を浴びるくらいだ。まぁ友達のためならあらゆる手段を使って助け出すが。
「ふふ心強いわね。そのときはよろしくお願いするわ」
それにしても声が雪ノ下に似ているな。目をつぶっていたら雪ノ下か近衛か分からないぞ。それと近衛ってもしかしてあの摂関家の近衛か?だとするととんでもない家系の人と友だちになったな。近衛をいじめるとか命知らずかよ。
キンコーンカーンコーン
昼休み終りの十分前のチャイムが鳴る。そろそろ行くか。
「近衛教室戻るぞ」
「そうね、授業の準備もしないとだし。それじゃまた明日」
小さく胸の前で手を振りながらドアを空けて階段を下がっていった。今の萌えたわ。なにあれ可愛すぎだろ。特に控えめなところとか。おっとこんなことを考えたらきりがないから教室に早く戻るか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます