第8話

「ねぇお兄ちゃんってどんな人がタイプなの?」


なんとか理性で耐えてると耳元で話しかけてきた。ぞくぞくしちゃう。耳は弱点なんだよ。あまり俺の理性を削らないでくれ。それにして好きなタイプね。


「顔だな。ボブで目が大きくて小柄なタイプだな。それで色んなことも一生懸命にやり、努力ができて、人の頑張りをしっかり誉めれて、信念をしっかりと持っていて、優しい人だな。後頑固なところもあるといいな」


これは香織の顔と性格だ。やっぱり香織が俺の理想なのだろう。あそこまで俺の理想なのは他にいない。まぁレズなのはいいとして、変態過ぎるのはどうかと思うが。ヤったら歯止めがきかなそうなんだよなぁー。


「私はそれなら顔は好みだね。後は性格だけだなぁー」


好きな人いるから近づいても好きにならないがな。いい加減このブランコン具合をどうにかしないと誰とも付き合わなくなってしまう。まぁお金持ち以外認めないんだけど。お金を持っている人なら明子は苦労しないだろうし。


後そう言いながら耳元に息を吹きかけないで、耳が弱点なんだから。後胸を押し付けるな。巨乳が当たって今すぐ揉みまくりたくなっちゃうだろう。明子がほくそ笑んでいるのが分かる。


「揉んでいいんだよ。責任はとってもらうけどね」


「妹のを揉んだら俺が世間的に死ぬ。たから押し付けるな」


言ったそばからムニュという感触が俺に降りかかる。香織が巨乳を見ると揉みたくなるのも分かってしまう。だが、俺は理性でなんとか我慢してると、駅に着いた。


俺は明子を下ろし、駐輪場で自転車を停めて、明子と一緒に歩いた。同じ学校のやつは兄だと知られてれからそこまでの視線は感じないが、他の学校の奴らからの視線がすごいな。毎回一緒に登校すると、これだからあまり美少女とは歩きたくないんだよ。


香織は別だぞ。好きだからな。むしろもっと特別な関係ってことを周りに周知させて、告白を減らす。そうすれば告白して逆上するパターンも減るだろう。前に告白を断って無理矢理やろうとしたやつがいたからな。俺に近くにいてほしいと言われたから草陰に隠れていたから、死角から攻撃して相手を気絶させたが。


「フフ私とお似合いという視線で皆見てるよ」


「いやあれは完全に嫉妬だろう。鈍感すぎない?」


胸を見られてることにも気づいてなさそうだしな。女子って視線に敏感じゃないのん?それとも見られ過ぎて麻痺したか。


「お兄ちゃんはかっこいいのに自分のほうがかっこいいと思ってる痛い連中なんだね」


いや俺そこまでイケメンじゃないが。前髪で片方の目隠れているし。まぁそれがなんかクールぽくってかっこよくねって思ったからこの髪型なんだが。でもやっぱ髪切った方がいいかね。あまり香織にもこの髪型は評判よくないし。短髪のほうが似合うよと言われているし。明日切るか。


「いや美少女と歩いていたら誰でも嫉妬するもんだろ。俺だって嫉妬するぞ」


「ヘーオニイチャンホカノジョシニシットスルンダ?ソノヒトハイエニヒキコマラセヨウカネ」


ヤンデレモードに入ったな。これを止めるには二つ方法がある。まず一つ目は誉めて嬉しさを込み上げさせる方法だ。もうひとつは甘い言葉で耳もでささやかせて恥ずかしさで嫉妬を吹き飛ばすことだ。そして俺は甘い言葉をささやくことに決めた。


俺は明子の耳元まで口を近づけた。


「明子は美少女で頭がよくて妹じゃなかったら狙っていたかもな。何回妹じゃなかったら付き合いたいと思ったことか。どんなアイドルよりも可愛いぞ」


すると明子は顔を真っ赤にして俯いた。ふっ照れてるな。まぁ嘘は言っていないし、問題はない。実際に妹じゃなければと幼少頃はよく思ったものだ。その時はまだ香織に対する気持ちが分かっていなかったからな。


「お兄ちゃんさすがに誉めすぎだよぉー」


「ふっ思ったことを言ったまでだ。それより電車に乗るぞ。早くしない行っちゃう」


「そうだね。ふふ好きだなんてこれって両思いなんじゃ」


なんか頬に手をあてながら腰をくねくねさせてる。まぁいいや行くか。俺は明子の頭をポンと叩いて駅に向かった。明子もついてきて、手を握ってきた。何でだよ。妹と手を繋いでるがばれたら過激派から襲撃を受けるんだが。あいつら家族だろうと関係なしに親しくしてるやつは許さないからな。何人か嫌がらせを受けて退学した。少し親しく笑顔で話してただけでた。あいつらは自分達ほど明子にふさわしいと思っている節がある。まぁ持てないやつが多いんだが。普通に話してたら勘違いしたパターンだ。


「ねぇお兄ちゃん私タレントのスカウトはたくさん受けたんだけど、声優のスカウトをこの前受けたんだけど、推してくれる?」


これ俺が推すと言えばやるみたいだな。声優の明子かなかなかいいな。


「ナンバーワンオタクになるぞ。スカウトは受けるべきだと思うぞ」


「推してくれるなら私声優になるよ。まずは養成所に通わなきゃいけないけど、一ヶ月後にでビューが決まってるんだー」


「早くねーか。普通デビューって一年は必要たと思うが」


「アフレコやったら本物並みの演技力があったらしく最短でデビューすることに決まったんだぁー」


あざとい役とか良さそうだな。オタクの青春の結菜役とか似合いそう。芸能人になるってことはイケメンでお金持ちもそれなりにいる。そのままブランコンを卒業できる可能性もあるな。とりあえず俺が一番の声援を送るか。


















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