推し活の教科書のような強靭な心の成せる業を見せてもらいました!
主人公は明確な目的に対して一切の妥協のない姿がつい肩を持ちたくなりますね。
ベースが鬱物語ということでその展開をぶち壊していくに相応しいパワフルさをもっており、物語のシリアス加減と主人公の心理描写のギャップにより張り詰めた空気をほどよく緩めてくれます!
個人的に読み進めて好きだったのが、主人公の推し先生がナチュラルに毒舌をはき、それをご褒美と受け取る主人公の強さに胸が締め付けられましたw
暴走気味でありながらも、主人公の行動があまりに健気なので許せてしまう稀有な物語。みなさんも共に推し活をはじめて見てはいかがでしょうか!
主人公の神埼ヒメはやりこんでいた乙女ゲーの世界に突然転生してしまい、一番の推しであるシリル先生と出会う。
しかしその乙女ゲーがバッドエンドだらけの鬱要素満載なものであり、シリル先生もまた救いの余地なく破滅へとまっしぐらに進むことが分かっている。
ゲーム本編の五年前という時間軸に転生したヒメは、大好きなシリル先生をはじめとした人物たちをバッドエンドから救うためにそれぞれの破滅フラグを片っ端からへし折ることを決意したのだ。
……こう書くと非常にシリアスなものに思えるかもしれませんが、ヒメの変態的なまでの愛がうまいこと中和してくれます。
そして王道展開の中に混ぜられる、筆者の着眼点から生まれる独自の設定も一見の価値あり。