第8話 隠し通して
それから数ヶ月が過ぎ、私達の関係は内緒のまま、ずっと隠し通してきた。
勿論、お互いの性格も誰も気付きはしない。
ある日の放課後。
「お前、眼鏡外せ!」
「やだ!つーか自分が外すなって言ってたじゃん!」
「2人きりの時は許可する。つーか、お前の素顔みてチューしたいから!」
「はあぁっ!?眼鏡を掛けていても、掛けていなくても同一人物なんだけど!つーか、所詮、顔って事だよね!最低!」
スッと眼鏡を外されたかと思うと、すぐに唇を塞いだ。
「キスする時に邪魔なだけだし。お前の素顔は独り占めしたいに決まってるだろ?」
ドキッ
「………………」
「それから、お前に1つ確認したいんだけど?」
肘を机に付き、顎を手の平に乗せる仕草をし、私を見つめながら、ちょっと不機嫌そうな不貞腐(ふてくさ)れ気味な表情をする。
「何?」
「お前、ここの学校の奴の何人と、ヤった?」
「えっ?」
「何人かは、いるだろう?」
「……さあ…?」
「真面目に答えろよ!」
「…いや…ごめん…本当に…」
「はっ?お前…マジで言ってんの?」
「…うん…」
「…マジかよ…」
「でも、ほら、学校じゃ眼鏡掛けてるしバレないって!もしバレてたら私、ここにいないと思うよ?噂になってたりして大変な事になってるだろうし!そういう、零次は、どうなの?」
「俺は告られてから断ってきて、逆ナンされた相手としかヤってないから!もし、俺の事バレてたら、俺の噂も大事(おおごと)になってるはずだけど?」
「………………」
「…時間の問題かな…?」
零次がポツリと言った。
「えっ?」
「お前も俺も」
ポンと頭をされた。
ドキン
「まあ、その時は、その時だな。俺はお前の味方だから。何かあったら、俺も本性出すから。お前ばかり嫌な思いさせない」
ドキン
「零次…」
「逆に、味方増えるかもしれないし」
「えっ?…いや…それは…流石に…」
「だって、男の嫌な部分、女の嫌な部分見て過ごしてきて今を至っているじゃん!」
「お互い異性の敵は出来るかもしんねーけど、理解してくれる奴いるはずだから。同性で共感出来るのはあるだろうし。とにかく気を付けて行動した方が良いだろうな俺達」
「…うん…分かった…」
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