第7話 1つに

零次の所に泊まり、帰ろうとし、帰る準備をする。


グイッと引き止められた。



ドキッ



「零…」



キスされた。



「帰んの?」

「うん…洋服も、着替えなきゃなんないし」

「そっか…」

「別に全然会えないわけじゃないんだし」

「まーな」



零次に近くまで送ってもらい、私達は別れた。



数時間後、零次から連絡があり、私達は会う事にした。


私達は街をブラつく中、水族館に目が止まる。


私達は、迷う事なく水族館に行く事にした。




「可愛い〜♪」 



私達はクラゲコーナーにいた。


不思議な空間にいる中、癒やされている。



「ねえ、零次、見てみなよ。可愛いと…」



言い終える前にキスされた。



かあああああ〜っ!


不意のキスは反則だ。



「ちょ、ちょっと…みんな見て…」

「2人しかいねーし!」

「そうだとしても、いつ、何処で見られてるか」

「クスクス…所詮、カップルはイチャイチャだろう?」

「私達は、別にそういう関係じゃないじゃん!」


「まあ…俺達は…付き合ってねーよな?」

「そうだよ!」

「でもキスする仲って…どういう関係?」

「し、知らないっ!」



私は足早に、スタスタと歩き移動。


私達は水族館を後に帰る。




食事を済ませ、街をブラついていると、とあるカップルが目に止まる。


かなりベタベタのカップル。


今にも人の目を気にせずキスをしそうな勢いだ。




次の瞬間、2人は引かれ合うように唇を交わす。


かなり濃厚と思われる。


角度を何度も変え濃厚なキスを繰り返す。


こっちが恥ずかしいくらいだ。


しかし、そんな私も言える立場ではない。


そういう事を何度も繰り返してきた御身分だ。


色々なキスを繰り返しては身体の関係を持ち、沢山の異性と愛のない関係を持っていた。


これからも、それを続けるのか?


ふと、そう自分に問い出す。


その時、隣にいる零次を見る。


零次もカップルには食い付くように見るも、すぐに反らし携帯を弄り始める。


私は、零次の洋服を少し掴む。



「ん?どうした?」 


「零次…さっきのカップル…」


「カップル?あー、スッゲー路チューヤバかったよな?俺なら路地裏に連れて人目付かない所でするけど」



「…零次は、今後の事、どう考えてるの?」


「えっ…?」


「私達の関係…」


「あー…お前は、どうしたいの?」


「私は…」




本当なら、もう辞めて、違う自分になりたい。


普通に恋していきたい。




「昨日、話していたけど、俺はお前とやっていこうと思ってるけど。今の自分変え…」




私は胸に飛び込む。




「友花?」


「私も変わりたい…だから…零次だけの彼女にして」


「友花…」




そう言う零次を見ると同時に、オデコにキスをされた。




「…行く?」

「えっ…?」

「お互いの傷付いた心を埋めに」



何となく分かる気がした。


ちょっと奥に行けばホテル街だ。



お互い、愛のない関係に終止符(ピリオド)を打とうと決意した瞬間なのだろう?


それで傷付いた心が埋められるとは限らない。


自分達が変わる方法は幾らでもある。


だけど、私達は、お互い愛のない身体の関係を続けてきた。



「お互い、他の異性とは2度と関係を持たない。俺達のルールは、それが唯一の方法だろう?」



私は、ゆっくり頷く。


私達はホテル街に入って行く。



正直、零次の事が気になり始めていたのもあり、私の胸はドキドキ加速していく。



「…零次…信じていいんだよね…」

「ゆっくりで良いから…俺も…お前を信じていくから」



傷付いた心を埋め合うように、私達は1つになる。



いつも言い合う私達だけど、お互いを見つめる眼差しは不安を含む中、信じたいという思いと、お互いの良きパートナーとして過ごせるような関係になっていく未来を描いていた。




「…お前…どんだけの男とヤってきたんだよ…」


「そういう自分こそ、どんだけの女な人と関係持ってきたわけ?」




学校の雰囲気から想像出来ないくらいの零次の色気は高校生とは思えない程で、ムカつく程、ドキドキしまくりの私がいた。


その自分が腹立だしかった。



だけど、どうやらお互い感じた事であり、



そんな俺も彼女の高校生とは思えない色気にドキドキしっぱなしの俺がいた。


特に、彼女の純粋さを見てきている俺として、ベッドの上で、俺の腕の中で抱かれている彼女は大人っぽさを含め色っぽい。




「…反則だろ…」


「えっ…?」



「…お前…絶対…他の男とH禁止!」


「そういう自分も他の人としたら許さないからね」


「お前が言う許さないはレベル違うから」


「いやいや一緒でしょう?」


「違う!」


「どうして…?」




「初めて…独占欲掻き乱される女…今まで関係持って来た野郎に嫉妬してる自分がいるんだよ…」


「…えっ…?」


「…俺以外、素顔バレた時の不安が正直ある…2人の時以外、無闇に眼鏡外すな!」


「そ、そこまで言う?」


「言う!俺が…お前以上に夢中になりそう…」



そう言うと、濃厚なキスをを繰り返され、熱が私の身体を何度も貫いた。


お互い吐息交じりの声や息が苦しくなるくらい体が熱くなっていく……。




ドキン

私の耳元で囁かれる。



『俺しか知らない友花に夢中(マジ)になりそう』




私は恥ずかしさに身体が更に熱くなった。



「ナイスリアクション!」

「バ、バカ…!」



そんな私達の秘密の関係が始まるのだった。

















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