第2話 ギルドの依頼
俺は、数日ギルドで仲間探しをしたが、入れてくれるパーティや一緒に戦う仲間は、見つからなかった。
ある日、依頼書のある掲示板を見に行った。
1人でも参加可能なDランク以上の依頼がある。
報酬もDランクで、小金貨3枚、3万ギルだ。
受付で詳細を聞くと、ギルドマスターのところに通された。
領主のドイル子爵からの依頼で、なんでも極悪非道な元Sランク冒険者が、町の近くに現れたらしい。
兵士では、目立つので冒険者を集めているという。
しかも、ドイル子爵自身も参加するという。
明日の早朝ギルドに集合するように言われた。
「元Sランク冒険者というと相当強いんですよね。」
「名前をフェリシアーノといい、相当強い魔剣士だ。」
「どんな非道なことをしたんですか。」
「邪教に通じ、殺人や盗難など盗賊まがいのことをしているらしい。」
「なるほど、わかりました。微力ながらお手伝いさせていただきます。」
― Sランク冒険者が、なぜそんなことをするのだろう。
― 普通に魔物を倒していけばお金には不自由しないだろうに。
翌日の早朝、ギルドに向かう。
ギルドマスターを中心に人が集まってくる。
報酬は、ランクごとに先払いでくれるようだ。
Aランクの冒険者もいるようだ。
20人近く集まった。
- 俺は、Dランクだが、大丈夫だろうか。
最後にドイル子爵がやってきた。
ドイル子爵は、なんとSランク冒険者の称号を持っていた。
ギルドマスターも同行するようだ。
フェリシアーノは、隣村のそばの雑木林にある小屋に潜伏しているとの話だ。
こっそり近づき、取り囲んで攻撃するという。
俺たちは、ギルドマスターとドイル子爵を先頭に小屋に向かう。
緊張するが、これだけ人がいれば大丈夫だろう。
目的地に着き、小屋を取り囲んだ。
ドイル子爵が、小屋の戸を開けると、人が飛び出してきた。
フェリシアーノだ。
フェリシアーノは、難なく包囲を突破し、こちらに向き合う。
魔導士4人が魔法を唱える。
フェリシアーノは、驚くことに、魔法を難なく剣で打ち消した。
戦士や聖騎士、魔剣士たちが襲い掛かる。
俺も、それに続いて前に出る。
しかし、 フェリシアーノは、それらの剣をすべてかわし、平然としている。
「皆、下がっておれ。」
ドイル子爵は、そう言うと、強力な魔法を繰り出した。
フェリシアーノは、これを打ち消すのではなく、かわして対応する。
ドイル子爵は、何度も技を仕掛けるが、フェリシアーノは、すべてかわしている。
- なんで攻撃してこないのだろう。
ドイル子爵の魔法を何度か、かわすと、フェリシアーノは、俺の横をすり抜け、逃げ出した。
「逃げたぞ、追え。」
ドイル子爵が叫ぶ。
すると、みんな一斉に追う。
俺が一番近い。
懸命に追いかけた。
しばらく追跡していると、後ろから、急に魔法の攻撃を受けた。
振り向くとドイル子爵の放った魔法のようだ。
俺は、身体が重くなり、倒れこんだ。
するとフェリシアーノが、俺のもとに戻り、俺を抱えて再び逃げだした。
「人をさらったぞ。追え。」
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