第3話 様々な家族との出会い②スミス家
フォスター家の家長と、とりとめとなく話を続けていると、
新しい家族の集団がやってきた。
まぁ、我々が早く来すぎているだけだ。
まだ早いぐらいだ。
「やぁ!!」
とその家族の集団が話しかけてきた。
「みんな元気そうじゃないね。仕方ないわな。これから待っているのは地獄だからな。進むも地獄、引くも地獄だ。」
「何言ってるんだよ。ここにずっといるより上の世界だよ。ここは本当に地獄だよ。コロリン病で死体がゴロゴロ転がってるんだから。生きているうちに出ていかないと。」と俺が言うと
「いやいや、俺は林業してるからわかるが、何もないところは怖いぞ。何が出るのかわかったもんじゃない。誰も助けてくれないからな。助け合いなんてものはない。俺たちはこれからお互い助け合っていかなければならないズッ友の関係だぜ。そこんとこヨロシク頼むよ。」
とゲルハルト・フォスターは言う。
「おっ、お前さん、山師かい。危なかっしい仕事してんねぇ。爪が俺と同じくらい黒いなあ。」
「というと、あんたも木こりかい?同業種は困るだろう?みんながバラバラの仕事をしないと、集落は作れないぞ。転職しようか?」
「いやいや、俺は鍛冶職人だよ。今さっきまで、納品していた。納品が遅れたらどうしようかとヒヤヒヤしていたよ。」
「へー。そっち系か。まぁ、一歩間違えば指が飛ぶ仕事なのには変わりないね。」
「おうよ。この街は戦争が近いし、疫病は蔓延るわもう持たない。今のうちに壊しておかないと作り直せないだろ?だから、破壊用の石鎚を納めてきた訳よ。もうこの景色を見るのも最後かもしれないな。」
「かもじゃねーよ。最後だよ。俺たちは死んでもこの景色はもう見ることはないだろ。たとえ生まれ変わったとしても。ところで、お前さん名前はなんて言うんだい?」
「おれはブラウン・スミスだよ。そっちはなんて言うんだい。職人トークについてこれない顔をしてるね。」
「えっ、俺?俺はジェニクレア・アルファンティスだよ。ジェニーって呼んでくれ。商人をやってるよ。商人なんて俺たちが感染源みたいなこと言われることもある汚い仕事だよ。」
「まぁな。結局、この病気もヨソから来た人がうつしたんだ。こんな病気は金品か物品か人からしか移らないだろ?それしか考えられない。俺たちは同じところで仕事しているんだ。感染源の訳ないだろ?こんな病気は血塗れたやつか、金貸しか?旅人か?芸能の奴らか?商人以外持ってきたって考えられないだろ?」
「やめろよ。ブラウン。そんな言い方は。商人がいるから俺たちは物が作れるんだろう?これからだって、コイツが俺たちの物を流通させるんだから。もう少し頭を使えよな。」
「いやぁ。それ、フォローになってないんだが……。」
そんな話をしているうちに、次の家族の集団が現れた。
ちなみに婦人たちは婦人たちで、話を進めている。
子どもたちは子どもたちで遊んでいる。
類は友を呼ぶだね。
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