第2話 様々な家族との出会い①フォスター家との会話

 スベルタの街の中央部では、衛生が保てず、食べ物や飲み物が腐ってしまうので、街の門外が開拓キャラバンの集合場所となっている。


キャラバン隊はうちを含めて8世帯ほどと聴いている。進むも地獄、引くも地獄である。前門の虎、後門の狼である。


逃げたら1つ進めば2つである。昔の人はいい言葉を残したものだ。


 さて、待ち合わせ場所につくと我がアルファンティス家とは別の世帯はまだ1世帯しか来ていなかった。流石に感染を防ぎつつ、ここまで来るだけでも大変というものだ。


 「こんにちは」と

俺がその家族らの集団に話しかけると、

 「こんにちは」と

そこまで元気ではない声で返ってきた。


 まぁ、これから

まずは木を切る作業や石をのける作業を行うと想像するだけでも過酷である。



「はじめまして。アルファンティス家の家長・ジェニクレア・アルファンティスです。そちらは?」と挨拶してみる。



「うちらは、フォスター家だよ。ゲルハルト・フォスターだよ。これから長い間世話になるよ。」と返事が返ってきた。



「フォスター家ってことは、林業の仕事なのかい。」



「ええ。そうだよ。うちらは代々林業とその関連産業をやっているんだよ。」



「なるほどね。」



「そっちは?あまり聞いたことのない名前だね。アルファンティス家はどんな家業をしてるのさ?」


「こっちは商人家系だよ。数年前にこの街で住んで、妻の実家のあるこの街で今のところ家族三人で暮らしてるんだよ。」



「なるほど。普段はどんなものを売っているんだ。」



「簡単にいえば、欲しい人に欲しいものを届ける仕事。売れるものはなんでも売ってきたんだ。」



「へえー。じゃあ、このコロリン病の騒ぎで仕事に支障がだいぶでたんじゃないのさ。うちは林業だから基本的に人に会わないけど、そちとら、人に会うのが仕事じゃないのか。だいぶ大変だったな。」



「いやー。別に困った訳じゃない。コロリン病が流行ったら治す薬が欲しいという人が溢れて、その人たちが薬だと思うものを言うからそれを届ける仕事をしてただけさ。正直、効くかどうかは知らんが、こちらも生活かかってるからな。」



「まぁ、それも生きるためだもんな。仕方ないね。死にかけてる人も、死ぬかもしれない人も、まだかかってない人も、薬のようなものがあると安心だもんな。わかるよ。」



「だろー。わかる奴じゃないか。」



「「はははははははは。」」



と、まぁ、こんな感じで話は盛り上がっていた。すると、次の家族のような集団が姿を現した。

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