第14話 モンスター呼寄せ

「私、レベルが上がったみたい!」


 クレアの方を見ると、喜んでいる。どうやら、レベルが上がったみたいだ。一緒に戦っていれば、モンスターを倒していなくても、経験値が手に入るのだろうか。


「そいつは良かったじゃないか! 何か変化はあったか?」

特技スキルが増えたみたい! 『モンスター呼寄せ』ってやつよ!」

「さっきの歌と同じじゃないか……?」

「微妙に違いそうよ! 試すわね!」

「ちょ、ちょっと待てっ!!」

ヴォィヴォッ、ヴォィッ、グゥォヤッモンスターの中のモンスター出てきなさい!」


 俺の静止を聞かず、クレアは特技スキルを使っていた。何となく、聞いたことがあるような台詞であることは、気にしないでおこうと思った。


 奥の方から何かが近づいてくる気配がする。俺は意識を、気配に向けていた。徐々にその姿が判明してくる。球体のモンスター、金色に輝いている。先程倒したモンスターの経験値を、『解析アナライズ』という技能スキルに変換していた。俺は、そのモンスターを解析していた。


名称:金色の球体ゴールデンボーラー

特徴:金塊、水晶などの鉱物を好んで食べる。倒すと莫大な経験値と、体内に溜め込んだ金塊などが手に入る。素早い為、よく逃げる。魔法は無効。


俺は解析を終え、ため息をつく。解析という割には、そこまで有益な情報が得られていない。名前と特徴位なら、必要無い気さえしてしまう。やはり、上位互換の技能スキルがあるのだろう。ただ、というのは捨てがたい。


金色の球体ゴールデンボーラーってモンスターらしい」

「何か下品な名前ね……」


クレアの言いたいことは十分に理解できる。俺一人であれば、間違いなく言っているだろう。どう攻撃するのが良いかと、俺は思考を張り巡らさせていた。『解析アナライズ』で急所なんか見えたら楽なのだが。そう考えて見ていると、一箇所、光る部分がある。


「えっ?」


思わず声が出てしまう。『解析アナライズ』とは、もしかしたら自分が調べようとしたことだけが分かるのか。ならば、ステータスは……。


「思った通りだ……」


金色の球体ゴールデンボーラーのステータスが頭に流れてくる。ならば、先程の急所を付けば、一撃で倒せるはずだ。


「楽勝だな。いただくぞ! 経験値と金を!」

「ねぇ、さっきからブツブツと、独り言が怖いんですけど……」


クレアの指摘を無視し、俺は攻撃準備に入る。急所に意識を集中し、狙いを定める。格闘王チャンピオンの固有技である、急所突き。これが決まれば一撃だろう。手刀の形を作り、一気に駆け寄る。逃げられる前に撃つ。


――ズバァッン!!


膨れた風船が弾ける様に、金色の球体ゴールデンボーラーは散った。倒した後に気が付く、眼の前に広がる金塊。かなり、溜め込んでいたみたいだ。


「な、何この金塊!! 贅沢し放題じゃない!」


クレアの欲求に思わずツッコミを入れたくなったが、俺は無視することにした。関わらない方が良いに決まっている。それより、金色の球体ゴールデンボーラーの捕食と、経験値だ。確認すると、かなり莫大な数字だった。


「いや……やりすぎだろ……」


以前締め上げた野盗。その二倍はあったのだから、俺も流石に驚いた。一部はクレアに行くのだろうが、序盤でここまでレベルも上がるなら、後々楽だなと俺は考えていた。



◇◇◇◇◇◇



名前:レオン・トラジール

職業ジョブ格闘王チャンピオン

レベル:1

ステータス:体力 S→SS(80→100/100)

      筋力 SS(100/100)

      敏捷 C→SS(40→100/100)

      魔力 D(31/100)

      精神 D(31/100)


技能スキル

魂の捕食者ソウルイーター

四次元空間アイテムボックス

竜の息吹ドラゴンブレス

六方晶の煌きロンズデーライト

解析アナライズ

女神の癒し

属性攻撃(火、水、風、土)

高速移動

魔法耐性(B)

ステータス異常耐性(D)

急所攻撃耐性(D)

 

名前:クレア・フローレス

職業ジョブ:勇者

レベル:1→40

ステータス:体力 G→D(15→30/100)

      筋力 G→D(10→31/100)

      敏捷 G→D(10→33/100)

      魔力 G→C(15→40/100)

      精神 G→C(14→43/100)


技能スキル

モンスター呼寄せ

モンスター魅了

モンスター使役

瞬間移動

癒しの光

光属性魔法



 




 


 




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る