第12話 モンスター討伐依頼
二日後、俺は冒険者ギルドの出張所に来ていた。流石にゲームとは違い、イベントなど発生はしない。どう魔王に辿り着けばいいのか、俺には分からない。それならばと、各地のギルドを周り依頼をこなしながら道を探そうと考えていた。
「あ、レオン! 待ったかな?」
「いや、今着いたところだ」
自分で言っておきながら、俺は恥ずかしくなる。デートの待合せじゃあるまいし……。この前の一件から、俺はクレアと冒険することになった。運が悪かったと諦めるしかない。二日後になった理由は、クレアの荷物到着待ち。勇者だけとあって、王国から装具が支給されるようだ。壮行式典も用意されており、王都ロイドに行くことになった。
クレアの身長は、俺より頭一つ分低いから160cmあたりだろう。ショートボブのブラウンヘア。凛とした顔立ちで、モデルの様なスタイル。一目で心を奪われる様な、美人の部類に入ると俺は思った。王国から支給された装備は、一目でその凄さが分かる。
羽織っている蒼いロングコートは、小さな
傍から見ると、俺は貧相な従者だな……。気にしても仕方がない。俺は、クレアと共に出張所の中に入っていった。建物の中は簡素で、
「最初はどんな
「そうだな……簡単なモンスター討伐がいいと思う。クレアのレベルも上げないと、冒険がキツイだろ?」
「そうね。あ、でも……アメリアからは、レオンに任せておけば大丈夫って言われたわ!」
「俺は、自動攻撃する武器かっ!!」
「それ、いいじゃない!」
話していると調子が狂う。早めに
『採掘場に住み着いたモンスター討伐』
「この
「採掘場に住み着いたモンスター討伐か。ギルドカードを提示してくれっ!」
「これでいいのか?」
「確認ができたので受理するぞ。この依頼は、港町ハマのものだ。詳しくは、そこの町長に聞いてくれ」
「わかった!」
港町ハマであれば、ルマールから馬車で一時間位のはず。俺はたまに仕入れのため、ハマの魚市場に行くこともある。知らない町ではないので気も楽だ。王都に向かう前に、少しでもクレアを成長させようと俺は考えた。まずは、現状分析だ。
「クレア、戦闘経験は……ないよな?」
「あるわけないでしょ!」
「だよな……。武器の支給はあったのか?」
「剣なんて、危ないから売ったわよ!」
「おいっ!! 売ったのかよ!!」
違和感の正体はこれか。クレアは武器を所持していない。モンスターとの戦闘は、いったいどうするつもりなんだろうか。先が思いやられる。
「そういえば、クレアも『加護』はあるか?」
「あるわよ……。忌まわしい、『加護』が……」
マイナス要素のある『加護』が、他にも存在するのか。ある意味、俺の『加護』なんかもハイリスクハイリターンでマイナス要素がある。
「ど、どんな『加護』なんだ?」
「内緒よ?」
「分かった……」
「私の加護は、『
俺はクレアと、互いに、できることできないことを説明した。結果、クレアが予想以上に何もできないことが分かっただけであった。
◇◇◇◇◇◇
名前:レオン・トラジール
レベル:1
ステータス:体力 S(80/100)
筋力 SS(100/100)
敏捷 C(40/100)
魔力 D(31/100)
精神 D(31/100)
【
女神の癒し
属性攻撃(火、水、風、土)
ステータス異常耐性(D)
急所攻撃耐性(D)
名前:クレア・フローレス
レベル:1
ステータス:体力 G(15/100)
筋力 G(10/100)
敏捷 G(10/100)
魔力 G(15/100)
精神 G(14/100)
【
なし
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