第57話 物件購入
某氏の話
とある縁で、この某氏の仕事をした。
中古の分譲マンションを安く購入、今風の部屋にリノベーションして高く売る。
そんな事をやっていたが、全面解体の上に、普段使わない様な材料を使いリフォームをする。
「こんな風な材料で」とか「イメージはこんなで」と材料を特定しないから酷い人だったよ。
二件は付き合ったけど、この人の仕事では損しか産まないので、それ以降の工事に関してはお断りした。
その折、同じマンション内で死亡事故があり、部屋が事故物件になった。
販売価格も、心理的瑕疵って事で、先に購入した部屋の三分の一価格だった。
彼はそこに目をつけた、それから事故物件を買い漁る事になる。
不動産屋の塩漬け物件を片っ端から購入、リフォームして賃貸として貸し出した。
心理的瑕疵物件の旨はどうしたかは不明、告知義務があるのだけど、不動産屋と組んでいたから、多分、間に人を挟んだのだろうね。
彼と四件回って内見したが、三件目までは、普通かな(個人的見解)と思いました。
視界の端に黒っぽい何か見えるけど、まぁ良くある事。
最後の四件目がヤバかった。
案内の不動産屋の営業が、鍵だけ渡して「僕は行けませんから行ってきてください」だと。
怖くても仕事せぇよ。
外観を見て、マンションの五階、ベランダに黒い霧で覆われているからあそこだなと狙いを定める。
しかし、エレベーターを降りたのは六階、おや、外れたか?
私は触りたくないから、購入者の某氏に開けさせた。
玄関扉開けたら、中から黒い塊が飛び出してきた、なんとか躱したけど、購入者が喰らう。
モロに体を突っ切ってきた、後で何かあるだろうな。
気になったベランダへ目を向けたら、階下から黒い霧だか煙だかが、外からベランダへ流れ込んでいた、まるで生き物の様に。
これヤバい奴だと理解したので、購入者を振り返ったら玄関でぼーっとしている。
憑かれたかな、さすがに放置はできないので、無理やり引きずりエレベーターで階下へ、不動産屋営業の待つ一階へと戻る。
引きずられる購入者を見た営業が「黒いのにやられたんですね、このまま神社行きましょう」となり、懇意にしている神社でお祓いしてもらいました。
神主さんは私を一瞥し、「あんたは大丈夫だから気にするな」と。
購入者の某氏の自宅まで乗せて行き別れた。
後日、電話を貰ったが、彼はどうやって自宅まで帰ってきたか分からないと言っていたが、あの日見た四件の物件は全て購入したそうだ。
数があるので、うちにもリフォームをやってくれと言われたが、内見の際におかしくなったのと、既に彼の仕事はやらないと決めてあったので、うちはパスした。
後日、リフォームした会社が面倒くさい事になり、某氏と裁判沙汰になったりしたとか。
ここまでの話なら、そんなこともあるかなと思うんだが、四件目の物件をリフォーム後に彼は住み着いた。
それ以降、殆ど連絡が来なくなったし、関わるのも辞めたので今がどうなっているかは解らない。
一緒に物件を買い漁っていた、不動産屋は店を閉めていたので、もう解らないんですよ。
そんなリアルな話をまとめてみました、リアルだけに支離滅裂であり、意味不明であり、解決など見込めない話なのです。
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