第29話 洞窟探検
洞穴へ探検に行った話
地元の噂では、その洞穴である地点を通過すると、消えると言われている。
実際に、誰が見た、アイツが見たとの噂。
今回聞いた方も、先輩に誘われて向かった。
主に運転手として、先輩を含む4人で洞穴へ行った。
町から車で40分、山道を登り、開けた展望スペース。
そこの駐車場に車を置き、更に山道を15分程登った先にある。
検証するために、ペッドボトルや木刀(武器)鉄パイプなどを持ち込む。
噂の地点は、入り口から直ぐにある、目印は特に無かったが、
その辺りだけ、嫌な気分になる場所だった。
感づいた先輩が、威勢よく振りかぶり、鉄パイプを振り抜くと、
この後、地面に落ちて響くであろう音が聞こえない。
先輩の手からすっぽ抜けた、パイプは空中に消えていた。
向きがあるのかを検証、逆側から投げ込もうと、
同行した仲間が近づいたら、消えちゃったんだよ。
どこかにワープしたかと、洞穴の中探したんだけどさ、
そんなに深くないから、すぐに奥に着いちゃって、でもアイツ消えちゃったんだよ。
と、震えながらに語ってました。
凸った時から3年、消えた方は未だに出てきません。
そして、怖いのが、その時同行消えた人の事を忘れてきていると。
先輩に聞いても、「俺達は3人で行ったよな」と言われているそうです。
場所に関しては、彼の記憶が曖昧になって来ているので、
特定は出来ていませんが、行きたくは無いですよね。
この取材をしたのが2019年、ここに掲載するにあたり、念の為に取材した彼に連絡をしてみたが、
携帯電話は既に番号が使われていない、メールも然り。
取材した記録は残っているので、仕事で近くに行くので、少し見てこようと思います。
了
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