第22話 つきもの その弐

見ていた目

あれの正体は数日後に判明した、当時付き合いのあった自称霊能者のK氏。

右目に眼帯をしていた、どうしたのか聞くと、私を睨みつける。

「目に何か入った様でな、何もしてないのに瞳に傷ついてしまったよ」

「そりゃ不幸な事故だな」とだけ言っておいた。

それ以上の言葉は無かったから、それで終わってくれたら良かったんだがね。

数日後の深夜、視線を感じる。

何処からの視線かと、振り返らずに気配を探る。

デスクのカップホルダーのカップの中に目があった、形から察するに左目だった。

お茶の表面に張り付くように目があったので、前回の様にディバイダーを刺しても意味なさそう。

何か無いかとデスク周りをみると、消毒用アルコールが目に入った。

コレだなと、キャップを開けカップへ流し込む。

悲鳴をあげると目は消えてしまった。

すぐにカップを洗い、殺菌消毒しておいたが、気持ち悪いので叩き割った。

その後K氏から連絡は無いな、何でだろうね。


イキテルヨ その2

少し前、同窓会があった。

皆おっさんおばさんになっていたが、中には化けるのが上手いモノ達もいた。

化けている奴の一人が、挨拶したとき耳元で「イキテルヨ」と告げた。

やはりこいつか

この人物、昔から地元にある宗教の家の人で、現在は当主なんだとか。(※)

今の世情なんて無い様に振る舞っている模様、同級生談

何人かは、そこの宗教に入っているとか。

入信を進められるが、NO THANK YOU。

断るとテンプレかと思える暴言を吐かれる。

「お前の家族、一族へ不幸が降り掛かるぞ!」


数日後、某事務所へ行く。

インターホン鳴らしたら、中から「ちょっとそこで待ってろ」と言われた。

主が出てきて、私の後ろをジロリと見て「今回も特盛じゃねぇか」と鼻で笑う

前から突風?みたいな風がきて「おう、あがれ」と

気持ち肩が軽くなった気がする。

「相変わらずお前さんは引きがいいな」と苦笑い

「とりあえず祓っといたから、今回もツケな、たまったらしっかり労働で返せよ」と笑う


目の話をする

「あぁ、あれだろ、もうお前の前には現れねぇからな」と

何かやった模様

「アイツもよ、例の奴らの仲間だからな、それだけだ」


これで有耶無耶になったが、現在も細かい嫌がらせは続いている。


今回はこれまで。

まだ続くと思う


(※)コミカライズされている『三つ玉』の関係者です

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る