第17話 木材市場

家の取引してる東北の製材所で聴いた話です。

木材市場で常に売れ残ってる製材がありました。

それは尺五角(約450ミリx450ミリ)の木材で、普通の家には向かないので、

売れ残ってるそんな品でした。

ある時、地元の裕福な家の方が市場へ来まして、一目でそれを気に入り

「それを家の大黒柱にしたい!」と、市場としても売れればいい訳で、

付けた値段に上乗せまでして購入されて行かれました。

売った方も、「あれは絶対に曰く有りのヤバイもんだ」と言ってたのが印象的です。


後日、地元の大工さんの手により、その角材は大黒柱として家に納まりました。

過程で特に何が有ったとか噂はありませんでした。

完成して2週間後の事、「柱がおかしい、変なものを売りやがって!」と

木材市場に怒鳴りこんできたそうです。

柱から何か突起物が出てきたと、それが何かと観察したら、何故か骨が出ていました。

有り得ないですよね、買った男は返金しろとか、意味不明な罵詈雑言を浴びせてたそうです。

売買は完結し、もう手を離れてるものですから、市場にしてもいい迷惑。

それから毎日、彼は押しかけて来たそうです、来る度に彼は、

「骨を骨を何とかしてくれ」と、しかしですね、その家に住む他の家族には、

その「骨」が見えないんですよ。

毎回引き取りに来る奥さんに、写真を撮ってきて下さいとお願いして、

市場の人は見たそうでうすが、特に変異も無い普通の木材の柱でした。

何が当たったのでしょうね、彼は病院へ引き取られたそうです。

そこまで来ると、あの材木の出処が気になり始め調べたのですが、

普通に大きな製材所から来た品でした。


しかしです、私の語るお話で、「御神木」のお話があります。

何故かこれに通ずる気がして仕方ないんです。


多分、市場の方も思ったと思いますが、敢えて見なかった事にしたよっと教えてくれました。


何が悪いか、誰が悪いか等わかりませんが、巡り合わせとか運なのだと思うお話でした。



※このお話は、過去に怪談朗読をされている暁闇(ぎょうあん)さんに朗読していただきました。

ねとらじの時代ですから、かなり昔です。

現在はYou Tubeにアーカイブとして残されています

「アヤカシガタリ」で検索していただけたら出てくるかと

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